WurtS / エヴォリューション

2021年1月にTikTokに投稿した「分かってないよ」がバズったことをきっかけに数々のバイラルヒットを放ち続け、総ストリーミング回数は4億回突破。今年10月に初の武道館ライヴが決定するなど、今や新世代アーティストの旗手としての存在感を示しているWrutS。その驚くべき進化・変化のスピードは、新作ＥＰ『エヴォリューション』からもはっきりと感じ取ってもらえるはず。EDMの最新スタイルと称すべきサウンドメイク、抑制と解放のバランスが気持ちいいメロディライン、〈僕らの答えは一つだ〉と呼びかける2024年のアンセム「エヴォリューション」、しなやかなファンクネスを放つベースラインと鋭利なグルーヴを感じさせる歌声とともに、今もなお現実と欲望が渦巻く東京の姿を映し出す「SF東京」、アルコールによる酩酊感とアッパーな感覚をリアルに追体験できるダンサブルなギターロック「BORDER」。幅広いジャンルを飲み込みながら斬新さと分かりやすさの狭間を見事に射抜き、“これを待っていた！”という音楽ファンの欲望に応えつつもさらに先の世界を見せてれるプロダクションの正確さと強靭さに圧倒される。King GnuやVaundyが登場したときもそうだったが、WurtSの音楽には何よりも“これは抗えない”という圧倒的な求心力がある。今年の夏以降、彼の音楽はさらに幅広い層のリスナーに浸透し続け、こちらの想像を超えたブレイクを果たすことになるだろう。（森朋之）