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今市隆二 / R

Review

2024.07.01

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アルバムタイトルの『R』は、彼自身のイニシャル“R”を指し、今市隆二の今とこれからを表現した作品に仕上がっている。このコンセプトを端的に示しているのが、オープニングを飾る「RED」。厚みのある低音が響くトラック、オーケストラ的な音像を交えたアレンジのなかで〈終わりのない夢へ 赤色に染め続け〉というラインを響かせるこの曲は、“この先も攻め続ける”という意思を感じさせると同時に、30代後半になった今市の匂い立つような色気もたっぷり。音楽的な芯をしっかり持ち続けながら、キャリアや年齢とともに新たなファクターを貪欲に取り入れる。そんな姿勢が明確に表われた楽曲と言えるだろう。本作のもう一つの軸は、北山宏光(TOBE)をフィーチャーした「REALLY LOVE feat. HIROMITSU KITAYAMA」。もともと交流があったという今市と北山はこの曲で、リラクシン&チルなサウンドのなかで奏でられる〈こうして僕が僕らしく輝く/それが君にとっても愛だって信じたい〉というフレーズには、音楽シーンの新たな可能を求めて活動を続けてきた2人の軌跡、そして、ファンに対する強い想いが込められていると思う。それを(強くてマッチョな雰囲気ではなく)あくまでも軽やかに伝えようとするスタンスも素敵だ。そのほか、シティポップの進化型と称すべき「RENDEZVOUS」、ジャージークラブ的なテイストを取り入れたトラックと日本語の響きを活かしたフロウが一つになった「RIDE」など、バラエティに富んだ楽曲が楽しめる。  (森朋之)

06.26 Release
album
rhythm zone
通常盤CD ¥4,400 他全6形態

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