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クジラ夜の街 / 青写真は褪せない

Review

2024.06.30

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昨年12月にリリースしたメジャー1stアルバム『月で読む絵本』収録の「Memory」とともに着実に認知度を上げてきたタイミングでリリースするメジャー2nd EP。音楽の歴史をテーマに音楽の可能性を称えるリード曲の「Saisei」は、“ファンタジーを創るバンド”を掲げるこの4人組の真骨頂だが、新境地を物語るファンキーなアレンジとラップも聴きどころ。TeleやBRADIOのアレンジに参加している奥野大樹を迎えたまさに成果の1つなのだと思うが、新しいことにもどんどん挑戦していこうという意欲が窺え、頼もしいかぎり。ピアノがクラシカルな旋律を奏でる幻想的なインタールード「ずっとおぼえていてね」を含む全5曲。“最後のデート”となった“別れ話”の光景をユーモラスに語るノスタルジックなポップソングの「失恋喫茶」、ストリングスを導入した王道のファンタジーバラード「美女と野獣」と1曲も被らないバラエティに富んだ曲調はEPならでは。ラストを飾る「祝祭は遠く」は、アイリッシュ調のバイオリンが鳴るアンセムだが、ハンドクラップやドラムの力強いビートを考えると、〈祝祭〉を目指すクジラ夜の街なりの行進曲と言えそうだ。〈今やめたら 何も残らない〉。〈俺たちの夜はこれからさ 何にも怖いものはない〉というメンバー達の想いも歌っているに違ない歌詞に耳を傾ければ、なぜ今、この曲が必要だったのかがわかるはず。ライヴでシンガロングは必至。いつか一緒に歌いたい。(山口智男) 

07.03 Release
EP
CROWN STONES
通常盤CD ¥1,500 他全2形態

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