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OxT,MYTH & ROID 初のツーマンライヴが開催! デビュー10周年を記念した特別な1夜をレポート

Live

2026.01.21

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OxTとMYTH & ROIDによるツーマンライヴ『10th Anniversary Two-man Live 2025』が2025年12月7日、下北沢シャングリラにて開催された。互いのデビュー10周年を記念したスペシャルな一夜の模様をここにお届けする。
Text 大西智之
Photo 大川晋児(atelier Sirius)
オーイシマサヨシとTom-H@ckが正式にOxTの名を掲げ、「KIMERO!!」を発表してから、そして、MYTH & ROIDがシングル「L.L.L.」でデビューしてから10周年を迎えた2025年。この節目を記念して12月7日に、OxTとMYTH & ROIDがツーマンライヴ『10th Anniversary Two-man Live 2025』を開催した。場所は下北沢シャングリラ。キャパシティ約600人と、どちらのユニットにとっても狭いと言えるライヴハウスである。
即ソールドアウトとなったプレミアチケットを幸運にも手にした観客で埋め尽くされた開演前のオールスタンディングのフロアにアナログ時計の秒針が動く音が鳴る。そしてこれからスタートする時間への高揚感が漂っていた。定刻の17時、サポートバンドメンバーが定位置に着き、白いハットに深い赤&黒の衣装をコーディネートしたTom-H@ckが登場、深く一礼する。続いてベージュのインナーに深い赤のパイピングを施した黒地のセットアップジャケットのオーイシマサヨシ。さらに銀髪に赤い布を編み込んだヘア、深い赤と黒の衣装にダークシルバーのシースルーの羽織を合わせたKIHOWが姿を現す。シンバルのカウントを合図にTom-H@ckが刺激たっぷりのギターリフを放ち、「みんな準備できてる?」とKIHOW、「いくぞ、下北!」とオーイシが煽る。
曲は「GREATEST GLORIA」、縁の深いアニメ作品『オーバーロード』の放送10周年を記念し、OxTとMYTH & ROID初コラボ楽曲として2025年4月に発表したナンバーだ。オープニングからの共演に観客のテンションが一気に上昇、声と拳を上げ始める。ダークで統一しつつ重厚と耽美を行き来し表情を変える楽曲を深みのある歌声でKIHOWが、張りのあるハイトーンを交えたヴォーカリングでオーイシが彩る。足元のステップに乗ったTom-H@ckが縦横無尽にギターフレーズを掻き鳴らす。サウンドと歌が一体となって濃厚な世界観を具現化させる。
1曲を奏で切ってから、挨拶代わりのMCを挟んで1度3人がステージから捌けた。そして、暗転した会場にドラマチックなSEが流れ、Tom-H@ck、KIHOWが現れる。照明により真っ赤に染まる中、すぐさま「VORACITY」を轟かせた。アップテンポでパワフル、かつ印象的なフレーズがオープニングのコラボの熱気を引き継ぐ。Tom-H@ck が体を大きく踊らせながらディストーションをかけたコードを響かせる。挑みかかるように前かがみで歌うKIHOWの視点は、オーディエンスとほぼ同じ高さだ。ここからMYTH & ROIDの時間となる。
続く「NOX LUX」では、バンドアンサンブルに組み込まれたスピーディなピアノフレーズとファルセットを巧みに使ったヴォーカルが醸し出す煌びやかな音楽でフロアを踊らせる。呼吸を合わせた演奏と歌が聴く者の心に鋭い楔となって突き刺さる「ACHE in PLUSE」。「みんな、跳んで!」。曲中に叫んだKIHOW自身が歌いながら、Tom-H@ckはギターを弾きながらジャンプし、アジテイトする。暗々とした雰囲気を纏っていた世界が開ける。“eoh eoh eoh……”、観客は2人の扇動に反応して跳ねながら声を重ねる。ステージで焚かれるスモークと、オーディエンス一人ひとりの吹き出しては気化していく汗が混ざり、下北沢シャングリラには白い靄がかかり出した。
矢継ぎ早に届けられるMYTH & ROIDの楽曲たち。ライヴでの同期と生のバンドとヴォーカルで織られたディープでゴシックな空気を纏ったそれは、本来の緻密なクールさに加え、グルーヴィ。快楽に直結したエモーションと熱を帯びている。さらに、キャパシティ数百人クラスのライヴハウスで体感すると、よりヒューマニティと熱が増幅されている。
場内を見渡したTom-H@ckが、肩で息をしながら言う。
「熱くない? ステージも客席もやべぇ。酸素が薄過ぎて!」
「私この熱さになること予想してました。すごい声が飛んでくる」と応じたKIHOWが「この後OxTもあるから、この流れで続けるのは危険かと思って、落ち着けるセクションを入れました」。そう言葉を継ぐ。
繊細でリリカルなフレーズに導かれたのはミディアムテンポの「STYX HELIX」。幻想的なサウンドと透明なヴォーカルが大切な君を想う祈りとして響き渡る。そしてピアノの調べが奏でられる。ピアノ1本を伴奏にKIHOWが歌うのはOxTの「Clattanoia」をMYTH & ROIDでカヴァーした「Clattanoia(penumbral)」だった。オリジナルからテンポを落として、しっとりした質感に生まれ変わった楽曲が水を打ったように静まるフロアで聴き入る者の心の奥へと吸い込まれていった。
「来年もやべぇのよ。OxTもMYTH & ROIDもめちゃくちゃカッコいい曲用意しているんで」
「次のワンマンで会いましょうね」
MCでTom-H@ckとKIHOWが会話しながら2026年も積極的な活動を展開することを予見させる。
そして、デビュー「L.L.L.」をガツンと轟かせ、たたみ掛けに入る。中央のステップに乗ってTom-H@ckがギターを弾く。KIHOWが上手(かみて)、下手(しもて)へと行き歌い、曲中で「今夜私たちのライヴを選んでくれてありがとう。この会場が一番盛り上がっているよね!」と言葉を発する。“We’re shouting Oh Yeah”……ステージと客席のコール&レスポンスでエネルギーを循環させてから入った「TIT FOR TAT」。歪んだギターリフが熱を注ぎ、サビの歌をKIHOWとオーディエンスが歌う。MYTH & ROIDのラストナンバーは「JINGO JUNGLE」だった。強靱に噛み合った歌とサウンドが楽しみを撒く。Tom-H@ckとKIHOWがリズムに合わせて拳を上げ、フロアでは観客が跳ね、踊る。
「ありがと」。感謝を伝えたKIHOW。バンドメンバーを送り出し、Tom-H@ckが「俺はまだまだやれる。引き続き楽しんでいってください」とOxTへの期待を含ませて、2人はステージを去った。
そして、OxTのステージがスタートする。
眩いバックライトが灯り、流麗な旋律のSEが流れる中、サポートバンドメンバー、再びTom-H@ck、オーイシが登場。シンバルカウントから1曲目の「HOLLOW HUNGER」が解き放たれた。ゴシックな世界にスパニッシュなフレーバーを注入したサウンド、ゴツゴツとした低音のリフとゴキゲンなノリを自在に操るTom-H@ckのギター、ウィスパーヴォイスから色気を纏った歌声、伸びやかな高音までを使ったオーイシのヴォーカルがうねり、狂気と隣り合わせの享楽でフロアを飲み込む。
「かかってこいよ!」。オーイシのひと言から突入した「GO CRY GO」では上手のステップにオーイシ、下手のステップにTom-H@ckが乗りプレイ、ダーク&ヘビーな音楽を響かせる。曲中で演奏と歌が展開し、妖艶さを発する。間髪を入れず演奏された「WHEELER-DEALER」、禍々しいまでに蠱惑的な音と歌がオーディエンスを虜にする。Tom-H@ckが早弾きを主としたソロを披露した。
「OxTのライヴは久しぶりだから」。Tom-H@ckが言うと、「しかもライヴハウスでね。久しぶり、みんなの蒸発した汗を浴びるの」とオーイシ。さらにTom-H@ckが「ステージ上から見ると霧みたいになってる」と、MYTH & ROIDのステージから刻一刻と濃くなるフロアの白い靄と熱気に触れる。
「今日は祭りだから! みんなとの距離近いの最高やな」、オーイシが煽ってから奏でられた「STRIDER'S HIGH」。曲が軽快にドライヴする。ステージと観客がシンクロして拳を振り上げる。続く「HIGHEST」ではアップミドルテンポのこの楽曲の持つスリルとエネルギーが解放され、場内のテンションを一段階上へと押し上げた。
このクラスのライヴハウスで浴びるOxTの音楽もまたグルーヴが前面に押し出されていて、歌とギターには2人の瞬間瞬間の感情がダイレクトに出ている。そのフェイクが聴く者の心を鷲づかみにしていく。
10周年を記念したライヴということで出会った時の印象をMCで語り合い、そして、当時はGARDENだったこの場所で作品コンテンツのライヴが催され、演奏したことがあるとエピソードが明かされた「Go EXCEED!!」。OxTの結成前、“Tom-H@ck featuring 大石昌良”名義で2人が初めて世の中に出した記念すべきナンバーを思い出の地で披露する。瑞々しく疾走する曲は今夜だけのエモさを宿している。オーイシとTom-H@ckが向かい合って奏でる姿にグッとくる。〈熱い鼓動 連れて共に行こう〉〈諦めないさ〉……飛び込んでくる歌がOxTの歩んできた時間と重なる。2人の姿と想いを心に焼きつけながら観客は頭上に上げたタオルを旋回させる。その景色はとてつもなくピースフルだった。
「久々にギター対決といこうや」。アコースティックギターを手にしたオーイシが話しかけ、Tom-H@ckが二つ返事で受ける。
オーイシのスラップ奏法を中心にしたアコギフレーズとTom-H@ckの創造性に富んだエレキギターの旋律が音で対話、そのままオーイシマサヨシの楽曲「君じゃなきゃダメみたい」のカヴァーに雪崩込む。ファンキーなアコギ、ワウをかけたエレキ、ブラスの音色、艶やかな歌が弾む。オーイシが“OxTじゃなきゃダメみたい”とヴォーカルフェイクを入れる。Tom-H@ckが弾き出すギターソロのうねりにオーイシがハイトーンのシャウトを被せる。
そして、OxTとしてのこの日最後の楽曲「UNION」が、アコギを下ろしたオーイシの渾身のタイトルコールからスタート。壮大な音世界が広がる。伸びやかな歌を響かせていたオーイシが「俺を救ってくれたギターヒーロー」とTom-H@ckを差し、Tom-H@ckがフィーリングたっぷりのギターフレーズを弾く。〈同盟を結ぼうか〉〈君を“退屈”から救いに来たんだ!〉といったフレーズが突き刺さる。フレンドリーでヒューマニティがありながらイマジネーションを触発する刺激を内在させたヴォーカルとギターで織られる「UNION」。この曲はTom-H@ckとオーイシマサヨシと観客にとって仲間としての絆の証であり、お互いに退屈させない存在でいるといった約束の結晶に感じた。
アンコールに応えたオーイシとTom-H@ck。2人がKIHOWを呼び込む。ツインヴォーカル編成のコラボで届けられるのは、MYTH & ROIDの「Paradisus-Paradoxum」である。幻想的で甘美とダークネスが混在した曲世界がKIHOWとオーイシのハーモニーにより奥行きとスリルを持って鳴り渡る。
「アニメに関わる純粋たる日本のアーティストがもっと世界に行くべきなんだよ。その頂点に立とう。夢じゃないよ、できると思っているから」とTom-H@ckが話す。「それは全然大袈裟な話じゃないよ。俺は最近、アニソン王になるって言ってるから」「一緒に大きくなってすげぇ大きなムーブメントを作ろうぜ、みんなで。ひとりではできないからさ」とオーイシが肯定し、KIHOWがうなずく。
そんな語らいの直後に響いたのはOxTの「Clattanoia」だった。深い繋がりを持つ2組のユニットによる貴重なツーマンの大団円を飾るべく選ばれた曲は、オーイシとKIHOWの歌、Tom-H@ckのギターとバンドの音、フロアの声が強固に結びつき、莫大なエネルギーを帯びていた。それは、ムーブメントの起爆になるだけの熱量を持っている。
“ただこの世界を生き抜こう”
“さあ 何処まででもこの足が行く限り”
「Clattanoia」に塗り込められたメッセージが心で轟いた。
アリーナや、1500人を収容する大バコのライヴハウス。そこにはそれぞれでしか見られない景色がある。同じように数百人クラスのライヴハウスにもここでしか結実しえない光景、熱量があった。
「やっぱ、ライヴハウスはいいな」
このライヴでオーイシがしみじみと言い、Tom-H@ckが同意するシーンがあったように、現在大きなステージに立つ3人にとって、そしてその景色を共有したオーディエンスにとって。この日のツーマンで感じたすべてが、ここからどこまでも進むためのエネルギーへと変換されていく。そう確信させられた。
『10th Anniversary Two-man Live 2025』
2025.12.07 東京 下北沢シャングリラ

SET LIST

[OxT,MYTH & ROID]
01.    GREATEST GLORIA

[MYTH & ROID]
02.    VORACITY
03.    NOX LUX
04.    ACHE in PULSE
05.    STYX HELIX
06.    Calattanoia-Penumbral
07.    L.L.L
08.    TIT FOR TAT
09.     JINGO JUNGLE

[OxT]
10.     HOLLOW HUNGER
11.     GO CRY GO
12.     WHEELER-DEALER
13.     STRIDER’S HIGH
14.     HIGHEST
15.     Go EXCEED!!
16.     君じゃなきゃダメみたい
17.     UNION

[ENCORE OxT,MYTH & ROID]
18. Paradisus-Paradoxum
19. Clattanoia

【Live MV】OxT, MYTH & ROID「GREATEST GLORIA」(「OVERLORD」10th Anniversary ULTIMATE SOUND ALBUM)
「OVERLORD」10th Anniversary ULTIMATE SOUND ALBUM
https://nex-tone.link/jcZMS6nfp

OxTオフィシャルサイト
http://www.oxt-music.com/

MYTH & ROIDオフィシャルサイト
https://mythandroid.com/

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