icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

折坂悠太 / 呪文

Review

2024.07.02

  • facebook
  • twitter
  • LINE

叙情的な日本語詞というだけでなく、どの曲も耳触りは日本然としているのだけれど、サウンドは恐ろしく自由でユニークでユニバーサル。独特の感性はロシアやイランで過ごした幼少期が由来してるのかもしれないし、日本に戻ってきてからの日々で気づいたことなのかもしれない。2年8ヵ月ぶりに完成したニューアルバム『呪文』。前作に比べて外向きになったのは、コロナ禍を経て本格始動させたライヴの影響だろうし、実際、一緒にツアーを廻ったメンバーがレコーディングに参加、心を重ねた演奏を披露している。〈静かに 静かに〉と始まるオープニングナンバー「スペル」は曲が進むにつれて熱を帯び、折坂が爪弾くマンドリンとギターを軸にアグレッシヴに展開、問答無用で見たことのない景色が広がる場所へ連れて行かれる。同時に、ここにいていいよという安心感をくれる。〈ディダバディ〉とともに口ずさめばいい。アルバム『呪文』をプレイするだけだ。春のツアーのMCで「私が書く歌は“知ってるよ”っていうことしかないんですね。新しい曲を作って、それも“知ってるよ”って歌だと思います」と話していた。〈私は本気です 戦争しないです〉「正気」、〈しいて何か望むなら 全ての子供を守ること 全ての 全ての子供を守ること〉「ハチス」。折坂悠太は誰もが知っているけど、決して忘れちゃいけない大事な想いを、誰にも真似できない気高くも美しく、ちょっぴりいびつな音楽に乗せて届ける。  (山本祥子)

06.26 Release
album
ORISAKAYUTA
通常盤CD ¥3,300 他全2形態

RELATED