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ゲスの極み乙女 / ディスコの卵

Review

2024.06.27

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同一モチーフを持つインタールード的な「作業用ディスコ」と「作業用ローファイ」を含む全14曲を収録したメジャー6枚目のフルアルバム。前作から実に4年ぶりのリリースとなる。タイトルでも謳っている通り、ディスコをテーマにしたアーバンな魅力もあるファンキーな曲の数々は、まさにダンサブル。しかし、音楽がただ消費されることに対するやるせなさや、音楽家としての苦悩をラップに託したようにも聴こえる5曲目の「晩春」をはじめ、刹那的だったり、シニカルだったりする歌詞からは、何やら裏テーマもあるんじゃないかと思ったりも。リフレインによるダンスグルーヴを意識したと思しき展開の少ない構成が殊更にリスナーを踊らせることに徹しているように思える前半から一転、その「晩春」以降はゲスの極み乙女らしいエキセントリックな魅力が滲み始める。チェーンソーのような音色でギターが鳴る「YDY」、エレクトロなサウンドに言葉遊びを思わせるラップを乗せた「DJ卵」、手数の多い演奏で攻めるアップテンポのオルタナファンク「歌舞伎乙女」などは、彼らの真骨頂と言えるだろう。ジャズファンクな「スローに踊るだけ」はタイトルとは裏腹に、これでも踊れるか!?とリスナーに挑戦しているようなリズムアプローチが聴きどころ。本作のハイライトと言ってみたい。そして、これぞゲスの極み乙女節と言える歌謡ファンクの「ハードモード」がアルバムを締めくくる。(山口智男)  

07.03 Release
album
TACO RECORDS
通常盤CD ¥3,300 他全2形態態

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