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ロザリーナ / sweet ring

Review

2024.05.31

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ロザリーナの3年ぶりの3rdアルバムが完成した。彼女が描くのは手を伸ばせば届きそうな半径2mの世界。君とのくだらないおしゃべりに心躍らせ、君と過ごす奇跡のような時間に瞳を輝かせ、君を傷つける人がいたら本気で怒る。だから大切な存在が増えることをめちゃくちゃ恐れるし、失った時にはぽっかりと空いた心の穴に何度も触れて、いつまでも愛おしく寂しく思う。

そしてそういう自分を掘り下げて、掘り下げて、〈だって君が居る世界が奏でるこの音が こんなに幸せだから〉(「no plan」)だったり、〈産まれた日から生きてるから 生きている意味を 探すよりも生きてるだけで意味があったらいいよね〉(「beautiful night」)なんていう、人間の本質みたいなフレーズをサラリと差し出してみせる。歌詞に綴られた純粋な意志を際立たせるのは、潔いサウンドデザインと、曲に合わせて彩度・明度を変える彼女のハスキーなヴォーカルだ。1対1の距離感で絞り出すように手渡される「I knew」や、歌ありラップありコール&レスポンスありライヴ感たっぷりの「タカラモノ」も素晴らしいけど、深みのある歌声がふわっとファルットに切り変わる瞬間の美しさは、唯一無二。

『コカ・コーラ福ボトル』CMソングで始まって、アニメやドラマの主題歌を経由して、映画『帰ってきた あぶない刑事』の挿入歌で終わる。既に多くの耳に留まり、幅広いタイアップが付いているけれど、ロザリーナの快進撃はこれから始まるんだと思う。必聴。 (山本祥子)

05.29 on sale
album
Sony Music Records
通常盤CD ¥3,300 他全2形態

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