icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

声優アーティスト 前島亜美が初のワンマンライヴを開催! 新曲も初披露された一夜限りのデビュー公演をレポート

Live

2025.05.23

  • facebook
  • twitter
  • LINE

前島亜美が4月13日、神奈川・関内ホール大ホールでソロアーティストとして初めてのワンマンライヴ『1st LIVE Blue Moment supported by animelo』を開催した。本人自ら演出や構成、演奏曲目などすべてに関わり、オーディエンスとともに作り上げた一夜限りの公演の模様を、B-PASS online独自のレポートと未公開写真を交えて振り返ります。
Text 大西智之
Photo 高田真希子
開演前のホールでは、“青”に関連した楽曲たちがBGMとして流され、ステージでは天井から垂らされた幾本かの紗幕が照明により深いブルーに染まっている。そして、予定時刻の17時を少し回ったところで、BGMが澄み渡った「Overture」へと切り変わる。ブルーに染まる紗幕の中央の1本に、水平線から昇ろうとする日の光を彷彿とさせる眩いバックライトを受けた前島亜美のシルエットが浮かび上がった。
伸びやかで温かな歌が響き始める。紗幕がゆっくりと上がり、トップスに白のジャケット、ボトムにアシンメトリーの水色のシフォンフレアスカートを合わせた前島が歌いながら進み出てくる。オープニングナンバーは、デビューアルバムのタイトルチューンであり、彼女自身が詞を手掛けた「Determination」である。スピーディなサウンドとオーディエンスのハンドクラップに乗る歌は強さを帯びていき、自分で選び決める未来を望むんだ、何も恥じず私で生きるって決めた、といった意志と、〈「ねえ見て、君へのステージだ」〉〈光へ 踏み出して君ごと抱きしめるよ〉〈全て“誇り”だと語ろう〉という語りかけ、想いをダイレクトに伝えてくる。曲中の間奏ではダンスを披露、歌とメッセージとステージパフォーマンス……グループ時代を含めたこれまで培ってきたすべてを、自分らしさと強みへと昇華して表現する。
続く「Blue Moment」、清々しい歌声が広がる。その歌が、“Oi Oi”と声を上げ、ブルーのペンライトを振る観客の一人ひとりと共鳴し合い、一緒にこの先を歩いていく、色褪せない記憶を刻んでいく、そんな気持ちそのものとして響く。ライヴタイトルにも掲げられた“Blue Moment”は、夜明け直前に見られる、空が青い光に照らされた瞬間を指す言葉でもあり、オープニングからここまでは希望に溢れた真っ新なスタートを思わせた。
「いい笑顔ですね!」
1階、2階席を埋め尽くす人、それぞれと視線を合わせた前島が表情をふわりとほころばせて言う。そして、改めて、昨年11月20日にアルバム『Determination』でソロアーティストデビューしたことを自身の口で直接報告。さらに、「デビューライヴは1公演のみ。一発勝負のこの一瞬が青い瞬間であるということでタイトルを『Blue Moment』にしました」と明かした。
『Determination』は“前島亜美らしさ”をテーマにアップからアップミドルテンポの曲を中心にしつつ、広い振り幅の音楽ジャンルを吸収、たくさんの表情を見せてくれる作品である。前島が演出や構成、演奏曲目などすべてに関わったこの1stライヴでは、アルバムに収録の10曲にプラスして想い入れのある楽曲をカヴァーし、『Determination』に収まり切らなかった彼女の琴線に触れる音楽と、この先の表現の可能性の広がりを感じさせられた。
ステージの照明と客席のペンライトが赤一色になったオリジナル曲「SCARLET LOVE」ではウエットな声で大人の情熱を描き出し、そして、もう一度頑張りたいと歌のレッスンを再開した時の1曲目だったという緑黄色社会の「Mela!」をカヴァー。晴れやかに、〈君が僕のヒーローだったように〉〈僕も君のヒーローになりたいのさ〉という純粋な想いを聴き手の心の深いところへとすっと滑り込ませる。アウトロでは会場中を巻き込み、全員が“La la la,……”と歌いつつ、上げた手を左右に振る。ピースフルな空間を出現させる。
くるりと180度回って衣装を改めてお披露目した後に届けられた「初雪とKiss」でダンサブルなサウンドに乗せ、振付と歌で初々しい甘さをホールに振り撒く。ヨルシカの「春泥棒」のカヴァーでは春の終わり、花散らせの嵐が吹く景色と淡い儚さを歌う。その歌の奥には、終焉があるからこそ繊細にものを感じようとすることや懸命に生きようとすることが滲んでいた。
吊り下げられた紗幕が上がり、ステージ中央の後方に白いキューブ型のエントランスゲートが露わになる。そのゲートに前島が入っていき、入れ替わりで登場した4人のダンサーが、リアレンジされた「MAKE IT NOW」のサウンドをバックにパフォーマンスする。そして、トップスを白いシャツと濃紺のベストコーデにチェンジした前島が合流、ビートの効いた「MAKE IT NOW」をダンサーたちと動きをシンクロさせ、囁きなど多彩な声色を混ぜ歌い、表現する。この編成のまま放たれた水樹奈々の「DISCOTHEQUE」は、2018年に自身が演じる“丸山彩”としてカヴァーしたことがある1曲。ダンスで魅了しながら、声を重ねるオーディエンスと共にパワフルかつヴィヴィッドに歌で彩った。
この直後、彼女は「めちゃくちゃ嬉しいお知らせです」と切り出す。そして、7月からスタートするTVアニメ『公女殿下の家庭教師』のオープニングテーマを担当すると決まったこと、作品に声優としてカレンを演じることを発表していく。
「深夜アニメに救われてきましたから。夢が叶いました」
想いを明かしてから未発表の新曲にして、アニメのオープニングを飾ることになる「Wish for you」を初披露。歌始まりのアップテンポナンバーで、煌めきと折れない前向きな気持ちが素直で瑞々しい歌で紡がれていく。関内ホールを希望と愛で満たす。
これを皮切りにライヴはエンディングに向けて怒濤のたたみ掛けに入る。

再びダンサーと共に、ホラーテイストなメロディと可愛らしさで編んだ「ポルターガイスト」をパフォーマンスし、遊び心をたっぷりと混ぜて歌う。そして、以前から交流のあるヒャダインこと前山田健一が詞曲を書き下ろした「職業:あみた」。スピード感や拍子をチェンジするサウンドの中で、よく知らない大人や外野が押しつけてきそうな価値観や言葉を〈うるさーい!〉と蹴散らし、〈たくさん泣くかもね〉といった一面を覗かせつつも〈あの頃があって 今があるの どの瞬間も 私は誇れる! 「私は私」〉なんて堂々と歌に乗せ放つ。前山田健一ならではのハイエナジーなサウンドメイクと、前島のことを知る彼だからこそ描けた言葉、さらに前島のヴォーカル力と、“あみた!”コールでエネルギーを注ぐオーディエンスの叫び、それらが融合し、場内の熱をさらに上昇させる。ハンドマイクを手に歌った「Unfallen Angel」ではエッジーなヴォーカルに、自分が願った未来へ羽ばたき続ける強い意志を宿す。
MCで芸能活動をスタートさせて15周年を迎えることに触れ、混沌とした中でずっと正しくありたいと頑張ってきて、その積み重ねがアイデンティティになったりしたけれど、その正しさとか正解が自分の心の声から導いた基準ではなく、誰かの決めたものとか、不確かなものになっていたこと。でも、「Determination」の作詞する時に自分の心の声に耳を澄まし続けることで、やっぱり歌って踊るのが好きで今の自分で再度ステージに立ちたいと心から思えたこと丁寧に語り、「実際、こうしてステージに立てて、今日1日幸せだなと思いました」と言う。
そして、「ライヴの最後に歌いたいと思い、作詞した」と明かし、本編ラストの曲として自身が詞を書いた「Azurite」を届ける。
“Wow Oh Oh Oh……”、曲の冒頭から大合唱が起こり、ホールは多幸感で満ちる。客席で “白群”色のペンライトが振られる中、前島の晴れやかな歌声が響く。〈この居場所守るから〉〈君と過ごす今が好きなんだ〉……たくさんの温かな言葉が流れ込んできた。
アンコール。ステージ中央のゲートの上部に姿を現わした前島が、天井からのひと筋のライトに照らされ、ピアノの音色1本をバックにゆったりと歌い始める。曲は『Determination』唯一のスローナンバー「空を見上げて」である。アコギ、リズム、ストリングスの音色が重なり、曲が雄大さを帯びていく。ステージ奥の壁一面にたくさんの小さな光が灯る。それはまるで星空のようだ。その空間で響く、祈りにも似た歌は透明で柔らかで、聴く者に寄り添う。この先も続く未来を優しく照らす。
そんなライヴを締めくくったのは、この日2度目の「Blue Moment」だった。日常の1日の中で“Blue Moment”と呼ばれる空が深い青に染まる瞬間は、夜明け直前と日の入り直後の2回訪れる。アンコールで歌われる「Blue Moment」はライヴ序盤に聴いたものより温かく深く、ここまでの時間のすべてを内包していて、日の入り直後の色を思わせた。それは終わりを意味するわけではなく、新たな始まり。次へ踏み出した一歩目である。初披露された「Wish for you」が、夏にはTVアニメ『公女殿下の家庭教師』のオープニングで流れ始め、7月23日には1stシングルとしてドロップとなる。さらに、今夜の関内ホールでの1stワンマンライヴにあった熱、高揚感、楽しさ、温かさ、希望、湧き上がってくる衝動、足を運んだ一人ひとりの満たされた顔と轟いた歓声にコール……あらゆるものが前島亜美の音楽、歌、演技に投影されていき、その表現と未来を作っていく。そう確信させられた一夜だった。
set list

M0. Overture
M1. Determination
M2. Blue Moment
M3. SCARLET LOVE
M4. Mela!(カヴァー:緑黄色社会)
M5. 初雪とKiss
M6. 春泥棒(カヴァー:ヨルシカ)
M7. MAKE IT NOW
M8. DISCOTHEQU(カヴァー:水樹奈々)
M9. Wish for you(新曲)
M10. ポルターガイスト
M11. 職業:あみた
M12. Unfallen Angel
M13. Azurite
encore
M14. 星を見上げて
M15. Blue Moment

●公演名:「前島亜美 1st LIVE Blue Moment supported by animelo」
●会場:神奈川・関内ホール(大ホール)
●2025年4月13日(日) [開場]16:30/ [開演]17:00
Release Information
前島亜美 1st Single 「Wish for you」
発売日:2025年7月23日(水)ご予約はこちら:https://ami-maeshima.lnk.to/1stSG

▼収録内容 前島亜美「Wish for you」 作詞・作曲:Imaban  編曲:石倉誉之・Imaban
※TVアニメ『公女殿下の家庭教師』オープニングテーマ

〈CD〉 全形態共通 「Wish for you」+新曲2曲 計3曲収録予定
〈Blu-ray〉初回限定盤のみ 「前島亜美 1st LIVE Blue Moment supported by animelo」ライブ本編映像 他予定
 1st Single 「Wish for you」

1st Single 「Wish for you」

<初回限定盤> CD+Blu-ray
KICM-92167
¥7,700(税込)

<通常盤> CD only
KICM-2167
¥1,540(税込)
Debut Album『Determination』

Debut Album『Determination』

<初回限定盤> CD+Blu-ray
KICS-94179
¥7,700 (税込)

<通常盤> CD only
KICS-4179
¥1,540 (税込)
▼1st Single発売記念イベント開催
<スペシャルイベント> ※トーク&ミニライブ
日程:8 月8 日(金) 会場:池袋Club Mixa 開場18:00/開演:19:00
詳細:https://maeshima-ami.net/contents/921161

<リリースイベント> ※トーク&特典お渡し会
① 8/9(土)【東京都】AKIHABARAゲーマーズ本店6Fイベントスペース 開場12:30/開演13:00
② 8/9(土)【東京都】アニメイト秋葉原1号館7F 開場15:30/開演16:00
③ 8/10(日)【愛知県】オルバースビル3階 開場11:30/開演12:00
④ 8/10(日)【大阪府】アニメイト大阪日本橋 5Fイベントホール 開場17:00/開演17:30
詳細:https://maeshima-ami.net/contents/921159

<インターネットサイン会>
2025年7月23日(水) 19:00~
詳細:https://maeshima-ami.net/contents/921168

RELATED