THE RAMPAGEの2年ぶり、通算6枚目となるオリジナルアルバム『(R)ENEW』。全国ツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2025 “PRIMAL SPIDER”』と完全連動した、オール新曲のDISC1と、前作からのシングルを全曲収録したDISC2の2枚組。グループの最高を“更新”するこの強力な作品を、陣、山本彰吾、川村壱馬、龍によるロングインタビューから紐解いていきましょう。
Text 小松香里
Photo 倭田宏樹(TRON)
Hair&Make-up ayako ueno(KIND)、yuka(KIND)、oya、Aki
Styling JUNYA CHINO
THE RAMPAGEという名前を背負ってやる意味のある音楽を
■ニューアルバム『(R)ENEW』のディスク1はツアー『PRIMAL SPIDER』と連動していますが、この発想はどこから生まれたのでしょう?
龍(りゅう)「全曲ツアーでできるように1曲1曲を強くしたいという気持ちがあったんですよね。そうすることで自然と濃いアルバムになるんじゃないかと思いました」
陣(じん)「今回のアルバムを制作するとなった時に、ツアーとアルバムが別々の位置づけというよりは、がっつり連動させたほうがアルバムを手に取ってもらいやすいんじゃないかとレコード会社の担当の方に提案してもらって。その話し合いの中で“蜘蛛の糸”を特にツアーを象徴するような曲にしようっていう話になりテーマソングにしました。テーマソングと銘打つとツアーのイメージが限定されてしまうかもしれませんが、龍が言ったみたいに全部の曲がツアーでしっかりと表現されると思います」
■「蜘蛛の糸」は冒頭から川村さんのラップ全開ですよね。
川村壱馬(かわむらかずま)「ラップばかりなので、僕が歌入れしてる音源を聴いたメンバーから“まだ歌入れしてないんや”って言われました(笑)」
山本彰吾(やまもとしょうご)「壱馬、まだ歌録ってないんだって思ってたら録ってた(笑)」
■(笑)最初に曲を聴いた時はどんな印象がありましたか?
川村「めっちゃかっけえの来たな!と思いました。またDRUM TAOさんとコラボさせてもらっていますが、和のテイストがめちゃくちゃカッコいい。自分もこういう曲がやりたいなって思ってきましたけど、楽曲の巡り合わせ的になかなか実現しなかったのですが、ツアーテーマ曲として制作できた“蜘蛛の糸”はだいぶ攻撃力が高くて超カッコいい曲なので、めちゃくちゃ楽しんで曲に入り込めました。あと、僕はもともとEXILEと出会ってアーティストを志しましたが、その前から好きだったラップに近いアプローチのラップだったのも嬉しかったですね。このタイミングでこういうラップのアプローチができるんだ、ぶっかましてやろう!って思ってラップさせてもらいました」
■しかも、川村さん1人でいろいろなアプローチのラップをやっていますよね。最初聴いた時、これ誰のラップだろう?と思うパートがいくつもあって、結果全部川村さんでした。
川村「“5人ぐらいでラップしてないとおかしい”って言われました(笑)」
龍「“(浦川)翔平さん”って書かれてるパートがありましたよね?」
川村「そう(笑)」
龍「音源を聴いて、MA55IVEがラップをやってると思ったらしくて」
山本「僕もこの曲の壱馬のラップのバリエーションの多さにはめちゃくちゃびっくりしましたね」
川村「ありがとうございます」
■振付はどなたが担当されたんでしょう?
陣「韓国のヨンジュンさんという方が作ってくれたんですがいろいろとすごかったですね」
山本「蜘蛛の糸をイメージさせる振りを入れてほしいっていうことはオーダーさせてもらいました。ヨンジュンさんの振りは“ダンス”っていう感じじゃなくて“振付”って感じなんですよね」
■しっかりと世界観があるというか。
山本「そうなんです」
川村「16人で不思議な動きをしたり、蜘蛛がふわっと出てくるような動きがあったり、かなり面白い構成で1曲を通して攻め攻めな振りで、さすがヨンジュンさんだなと思いました。踊ってて楽しかったです」
陣「音取りが細かくて難しかったですね」
山本「リモートで僕達がいるスタジオとヨンジュンさんがいる韓国を繋いでいろいろやっていったんですけど」
陣「あとシンプルに身体能力が高いんやろうなって思う」
山本「確かに」
龍「体もイカつかったですよね」
陣「最近の韓国のアーティストはアスリートに近いというか、何度も反復練習をしている日常が垣間見えるようなストイックでカッコいい振りだと思いました。振りのスピードと可動域がこれまで僕らがやってきた振りより先をいってるというか。でもちゃんと練習したら踊れるので、今回みたいな振付もTHE RAMPAGEの曲に合うなっていう発見がありました」
山本「壱馬のラップのアプローチのこともそうですし、DRUM TAOさんが入っていることもそうですし、新しいけどTHE RAMPAGEっぽい。こういう曲をこのタイミングで出せるのがすごく嬉しかったですね。パフォーマンスでも攻められるなと。LDHの概念もいい意味で崩せる、異質なライヴが作れるんじゃないかと思いました」
陣「僕もみんなと同じ気持ちです。実際にできてるかできてないかは置いといて、僕達はずっとTHE RAMPAGEという名前を背負ってやる意味のある音楽をやろうとしてきたので、“蜘蛛の糸”は大正解だと思いました。あまり聴いたことのない方向性の曲だし、攻めてる。でも頭に残るサビのフレーズもあって。そこにヨンジュンさんの振付で新しいテイストを入れて中毒性のある曲になったので、すぐに早くライヴがしたいなって思いました」
龍「ヨンジュンさんがTHE RAMPAGEがパフォーマンスで勝負できるグループっていうことをキャッチしてくれた結果、生まれた振付だと思いましたね。だから僕らも自信を持ってこの曲と一緒にパフォーマンスで勝負していきたいです」
■歌詞は蜘蛛の糸というモチーフがちりばめられながら、ラップパートに〈弱肉強食 勝ち残るのは本物しかない〉というラインがあったり、THE RAMPAGEが歌ってきた本物であれ、という意志が詰まっていますよね。
川村「会心の一撃な歌詞だなと思いました。めちゃくちゃカッコいいサウンドでありながら、歌詞もすごく尖ってるし、THE RAMPAGEの本質が言葉になっています。総じて本当にいい曲に仕上がったなって思います」
■アルバムの他の曲もかなり攻めてて強力だと思いました。
川村「全部テイストが違うけど、埋もれてる曲がないですよね。どの曲の音楽性にもTHE RAMPAGEらしさを感じるし、全部がカッコいい。“BURN”は最初聴いた時はどういう仕上がりになるかイメージが湧かなかったんですけど、みんなでMVを撮ったりする中で“イエーイ!”みたいなテンションの楽しい感じになっていきました。チャラい楽しさじゃなくて、ちょっとクールな遊び具合っていうか。その塩梅はTHE RAMPAGEにとって絶妙だなって思いました。ライヴでは絶対盛り上がりそうだし」
■確かに、ポップだけどチャラくないMVですよね。
川村「そうなんです」
■あと、メンバーそれぞれのキャラクターがしっかり出ているなと思いました。
陣「わかりやすいですよね」
川村「確かに、そこもよかったですね。でも、s**t kingzのNOPPOさんの振付の中で一番難しかったです。カッコつけづらい動きがあって、ノリを出すのが難しいっていうか」
陣「NOPPOさんの振りにはレゲエ特有のマニアックなノリが入っているので苦戦しますね。パフォーマーでも、何これ?ってなる時があるもんな。腰の動きとか」
龍「急にエグいのくるから」
陣「THE RAMPAGEやからいけるって思ってくれてる感じもあるので、それは嬉しいですけどね」
山本「次元が高い人だからこその独特のノリが入った振りなんですよね。こういう曲だからこそ、NOPPOさんの身長とか手の長さ、ダンススキルを全部入れられちゃうっていうか。冒頭からNOPPOさんならではの動きが入った振りになっていて、これは真似するというよりは自分で解釈して落とし込まないとダメだなって思いました。でも簡略化すればファンの方も簡単に踊れる振りだと思うのですごくいい振りだと思います。覚えて踊ってほしいですね」
■「BURN」の歌詞はライヴの盛り上がりに直結するようなものになっていますが、どんなことを感じましたか?
山本「セットリストのいいところに入れて間違いなく当てにいきます」
川村「着火剤みたいな曲になりそうやな」
■「BURN」も川村さんのラップの妙が詰まってますよね。
山本「特に2番がいいよね」
川村「まぁ、なんでもできるんで(笑)」
■「蜘蛛の糸」と「BURN」が顕著ですが、川村さんのラッパーとしての魅力が全開のアルバムだなと思いました。
川村「ありがとうございます。“BE WIZ U”はTHE RAMPAGEらしいエモいニュージャックスウィングな感じの曲で、そういう曲やバラードに僕の歌が入ってくるのはいいんですけど、僕はできるだけラップに特化したほうがグループのカラーとしても自分の得意分野としてもいいんじゃないかと近年悩んでいて、いろいろと相談させてもらいました」
山本「広く活動していこうとすると、どうしても大衆的なものや老若男女問わず受け入れてもらえるものを意識することがあって、それが大事な時ももちろんあると思うんです。でも結果としてそういうグループは多いし埋もれてしまったら元も子もないっていうか。逆に反骨心がどんどん強くなっていて、攻めたアルバムを作らないと自分達の気持ちが消化できないって思ったんですよね。そのタイミングで攻めてる曲をたくさんいただけて、壱馬が考えていることも含めて、改めてヴォーカル3人の位置付けをファンの人にも伝えていきたいなって。本来アーティストっていうのは自分達がやりたいと思うことをやるべきだと思いますし」
■昔から自分達が押し進めたいと思っていたTHE RAMPAGEらしさがしっかりと伝わってきて、どんどん実現できるようになってきたわけですね。
山本「そうですね。歌いたい曲を歌って、踊りたい曲を踊って何が悪いんだって思います。自分達の意志とは違う方向に進んでしまうことに対して危機感を感じたので、しっかりスタッフさんと話しましたね。今のタイミングでそういう話をすることで、THE RAMPAGEはもっと上にいけると思ったので、僕らの話をちゃんと聞いてもらえてありがたかったですね」
■その動きには、昨年9月の2度目の東京ドーム公演での経験も影響しているのでしょうか?
川村「ドームはいろいろな面で大きかったですね。本番の2日間に向けての準備期間がみんなが変わる期間だったと思っています。もちろんこれまでも本気でやってきましたけど、準備期間で自分達の体力のポテンシャルが最大値になった気がしていて。俺、こんなにできたんやっていう発見がありましたね。メンバー全員の準備の質が凄まじく高かった。3月からのツアーに向けても全員の熱意の高さを感じてます。自分に関しては年始の過ごし方からこれまでと違って。ダラダラするのがイヤだったので、早々と東京に帰ってきたし。めっちゃ食べたけど毎日筋トレしてました。今まで年始にそんなこと、やったことないんですよ。去年のドーム期間のレベルをキープできています」
陣「個人的には、やらなければいけないことに向けてずっと走ってるので何かが変わったわけではないんですけど、16人全員誰ひとり気持ちが緩むことなくドームをやりきれたっていうのはデカいと思っています。この16人でグループの魅力を発信し続けて時代を引っ張っていく存在になるにはどうしたらいいのかっていうことを考えると、メンバー一人一人の気持ち次第かなって思うんですよね。東京ドーム公演に対していい反応をたくさんもらえて、こういうライヴをやったらちゃんといい評価をもらえるんだなって実感できたからこそ、周りの目を気にするのではなく、引き続きメンバー同士ちゃんとリスペクトし合える関係性でいられたらいいなって思います」
龍「メンバー一人一人へのリスペクトがなくなったらグループは終わりだと思っています。ドームに向けてそのリスペクトを高めることで士気が上がった感覚はありますね」
山本「当初、東京ドームはツアーのファイナルっていう位置づけがいいんじゃないかって話もあったんですが、そうじゃないなと思ったんです。ツアーはコンセプトがあったけど、東京ドームはコンセプトはなしにして、THE RAMPAGEの根本にある存在価値を出すようなものにしたいなと思いました。あと、僕らはデビュー前に“心が弱っている人がTHE RAMPAGEを見て生きる希望を持ってもらえるようなグループになりたいね”っていうことをみんなで話してたんですけど、改めてそういうことを伝えられるようなライヴにしたいと思ったんですよね。だから、余計なコンセプトをなしにして、一人一人が十字架を背負うことで、さっき壱馬が言ったみたいに無駄をそぎ落とした神聖な気持ちで本番に向かっていきました。キャラを作るとか、余計な気持ちがまったくない、まっさらな状態でステージに立ちたかったのでドームのタイトルを『*P(R)ojectR®』にしたんです。一度ゼロに戻ってまっさらだからこそ盛りだくさんのドームにできるかなって。そうすることでまた勢いよく走ることもできると思ったし、そういうタイミングは自分達で作っていかなきゃいけないと思ったんです」
続きはBACKSTAGE PASS 2025年4月号でお楽しみください!!
『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2025 “PRIMAL SPIDER”』
3月1日(土)静岡・エコパアリーナ
3月2日(日)静岡・エコパアリーナ
3月15日(土)神奈川・横浜アリーナ
3月16日(日)神奈川・横浜アリーナ
4月9日(水)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
4月19日(土)福井・サンドーム福井
4月20日(日)福井・サンドーム福井
6月7日(土)福岡・マリンメッセ福岡A館
6月8日(日)福岡・マリンメッセ福岡A館
6月21日(土)広島・広島グリーンアリーナ
6月22日(日)広島・広島グリーンアリーナ
7月1日(火)大阪・大阪城ホール
7月2日(水)大阪・大阪城ホール
7月5日(土)宮城・グランディ・21 宮城県総合運動公園
7月6日(日)宮城・グランディ・21 宮城県総合運動公園
7月24日(木)愛知・ポートメッセなごや 第1展示館
7月25日(金)愛知・ポートメッセなごや 第1展示館
8月2日(土)熊本・グランメッセ熊本
9月6日(土)大阪・大阪城ホール
9月7日(日)大阪・大阪城ホール
https://m.tribe-m.jp/ldh_page/tour_rmpg_primal_spider
THE RAMPAGE
ザ・ランペイジ。オーディションを通じて選ばれた16名によるダンス&ヴォーカルグループ。二度の武者修行を経て、’17年1月に1stシングル「Lightning」でメジャーデビュー。’25年3月に6thアルバム『(R)ENEW』を発表した。現在『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2025 “PRIMAL SPIDER”』を開催中。
公式サイト
https://m.tribe-m.jp/artist/index/43
MV盤 2CD+DVD ¥5,500
MV盤 2CD+BD ¥5,500
ドキュメント盤 2CD+DVD ¥6,600
ドキュメント盤 2CD+BD ¥6,600
2CD ¥4,000
[CD1]
01. 蜘蛛の糸
02. BURN
03. Rizzup
04. Drown Out The Noise
05. BE WIZ U
06. PRND
07. Somewhere
[CD2]
01. 16BOOSTERZ
02. 24karats GOLD GENESIS
03. Everest
04. CyberHelix
05. BIONIC
06. VIP
07. Summer Riot 〜熱帯夜〜
08. Light Up The Night
09. 華麗な生活
10. 片隅
11. Let’s Go Crazy
12. BALMY BALMY
13. Endless Happy-Ending
https://rmpg.lnk.to/0221ALL