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osage メジャー第1弾シングル「マイダイアリー/透明な夏」のウェブ限定記事を特別公開!

Interview

2024.08.24

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今作「マイダイアリー/透明な夏」よりメジャーレーベルに活動の場を移し、新たな展開の始まりを見せている4人組ロックバンドosage。ここでは、8月27日発売のB-PASS 10月号の掲載内容とは別テイクの写真&インタビューをB-PASS online限定で特別に公開します!
Text 大西智之 Photo 木村篤史 Hair & Make-up URI Styling 佐藤リナ

自分たちで生み出した曲をこの4人で鳴らせば、そして僕が歌えばosageの音楽になる

■メジャーデビュー、おめでとうございます。

一同「ありがとうございます」

■7月に行なわれた全国ツアーのファイナル公演、東京・渋谷WWW Xでのワンマンでデビューを発表されましたね。あれから実感は湧きました?

ヒロクサマ「実は半年くらい前からメジャーレーベルの方と一緒に準備をしてきたんです。でも、それを誰にも明かすわけにはいかなかったですから。やっと発表できて、周りの方が喜んで声をかけてくれて。嬉しかったですし、そういった声から実感しています。それにメジャーデビューは夢というか目標のひとつだったから、達成できて良かったです」

田中優希「自分はライヴで発表した時に、デビューすることを一番実感しましたね。同時についに言えたという開放感と高揚感が湧いてきました」
■田中さんは発表後のMCで、力を貸してくれた観客の方に向けて、恩返しはこれからもっと面白い景色を見せること、とおっしゃっていましたね。

田中「あの時、お客さんが“おめでとう”と言ってくれて。でも、これからの変化がポジティブなのかネガティブな話なのか応援してきてくれた人たちはわからないと思ったんですね。だから、これからosageがどう変わっていくのかを説明して、不安を取り除きたかったんですよ。それを含め、直接伝えられて良かったです」

金廣洸輝「栃木にある、おばあちゃん家界隈の人たちが……」

山口ケンタ「おばあちゃん家界隈!(笑)」

ヒロ「親戚一同、みたいな?」

金廣「そうそう! SNSだったりにうといであろうおばあちゃんとか年配の親戚、その周りの人たちにもデビューすることが伝わっていて、おめでとうとか連絡をくれるんですよ。そこで、メジャーデビューって自分が思っている以上にいろんな人に届くんだな、と実感しました」

山口「osageの楽曲、やっていることは広い層の方にいいと感じてもらえる、と思ってやってきたんです。ただ、存在を知ってもらうためには自分たちと音楽を信じて、地道にライヴをやる、いい曲を発表していくしかないですし、それを続けてきて。ようやくひとつデビューという形で認められた、というのが素直な今の想いです」

     山口 ケンタ(G.&Vo.)

■例えば2000年代の前半にMONGOL800がインディーズながら300万枚近いアルバムセールスを記録して、全国規模の活動を展開されていますし。さらに今はYouTubeやSNSを使って世界に発信されるアーティストさんがいたり、活動スタンスの選択肢が多くあります。そんな中でも、osageはメジャーデビューが目標だったんですね。

山口「活動の中でメジャーを意識するようになりました。というのも、osageを始めた頃は、メンバー各々のルーツに持っている音楽が硬派だったこともあって、メジャーシーンにこだわりがあったわけではなかったんです。でも、この4人と事務所のスタッフさん、osageチームで活動していくうちに自分たちの音楽が持つ可能性の広がりを感じたりして。そこで広い景色を見られるところへ行きたい、という気持ちに変わっていったんです」

田中「たぶんメンバーの考え方とか性格、それに音楽性として、メジャーでやるほうが肌に合うし、聴いてくれる方も増える、と少し前から漠然と思っていたんですよ。だからメジャーデビューのお話をいただいた時は絶対にお受けしよう、と全会一致でした」

     ヒロ クサマ(B.&Cho.)

■性格的に、ですか?

田中「あまりガツガツしたタイプじゃないというか。自分の意見は絶対、俺はこうやる、みたいに一直線に進む人っていますよね。ウチのメンバーはそうでなく、周りの話を聞きながら吸収して進んでいくタイプなんです。だから、多くの音楽を聴いていたり、音楽シーンの前線で闘ってきた人たちと一緒にやる環境のほうがインプットの量が増えて、成長を加速させられる!と思えたんですよ。実際、一緒にやるようになって、興味深いアイデアが飛んでくることが多くて。面白いんです」

ヒロ「だからメジャーに来たというより、メジャーレーベルのチームとジョインして、一緒に作る仲間が増えた感覚なんです。すると、作品に対するイメージやアイデアの引き出しが増えるし、新鮮な感覚があるんですね。そして、これからさらにそういった部分が楽曲や活動に表われてくると思います」

     田中優希(Dr.)

■アイデアや意見が増えたぶん、それは今、必要なのかとか自分たちの音楽にとってどうかといった判断するための軸が必要ですよね。その軸はここまでで手にできました?

山口「はい。まず作った元デモから、メンバー4人でアレンジを詰めて、仮歌を乗せるというのがosageのベーシックな制作の流れなんです。そこに、今に至るまででさまざまな編曲家さんに参加してもらって、一緒にアレンジを固める経験をしてきて。感じたのは自分たちで生み出した曲をこの4人で鳴らせば、そして僕が歌えばosageの音楽になる、ということ。そこに絶対的な自信があるんです。それがosageの芯ですね。ただ、それだけだと今まで自室でポチポチと曲を作っていた頃と変わらないわけで。ジョインしてくれたメジャーレーベル、昔から一緒にやってくれている事務所、一緒に制作するクリエイターさんといったチームからのアイデアを、最終的にメンバーで詰める、それはプラスになっていくと思えているんです。実際、直前に配信した楽曲“残り香”や、ミニアルバム『ENSEMBLE CAST』はかなり音楽的な振り幅が増えていて。そこにはチームの変化も反映されているんですよ」

     金廣洸輝(G.&Cho.)

■明確な芯が見えていれば進化の方向がブレないですよね。ちなみに、このバンド名にはどういう想いがあるのでしょう?

金廣「結成した当時、大学生で若かったし、尖ってたんですかね、バンド名にあまり意味を持たせたくなかったんです。で、僕がツインテールの女の子が好きだったから、ツインテールズにしようと思ったんですけど、調べたら海外のバンドにすでにいて。だったら、和名にしよう、ということで決めました」

山口「オリジナルメンバーの僕と田中には事後報告でした(笑)。そこから、当時はもうひとりギタリストがいて、ギターが2本でしたし、おさげ髪って結うと簡単に解けないことから、僕たちの音楽は届いた方にとって簡単に手放せない、という想いを重ねています」

田中「ただ当初は、O’s-ageと表記していたんです。それは単純にオシャレにしたかったからなんですけど」

金廣「でもそれだとネットの検索にひっかからなくて。例えば、ライヴを観た方が“良かった”とか感想をSNSに上げてくれても、正確に記号まで入れて書いてくださる方は、そんなにいないからサーチに引っかからないし」

山口「そもそも簡単に読めないですしね(笑)」

田中「ライヴに来てくださる方も含め“おさげ”と呼んでいたので、正式にosageになりました」

金廣「今の事務所に所属することを発表した少し後だから、2019年あたりのことですね」
■あと、インディーズでミニアルバム2枚、フルアルバム1枚、EP1枚とシングル2枚、さらに配信シングルまで。積極的に音源を出してこられていますね。

山口「コロナ禍のライヴを満足にできない期間に毎週連続で5週間、配信シングルとして新曲を出してやろう、みたいな試みをしたり。いろいろやってきた結果ですね。それでもここまでに、苦労して曲を生むことはそんなになかったです」
■コロナ禍は多くのアーティストさんがステージに立てなかったりして、アウトプット先がないフラストレーションや不安を感じられたと思うんです。そういう気持ちは5週間連続で新曲を発表する、というところに繋がっていますか?

山口「バンド活動をどうしていけばいいのかわからない不安はもちろんありました。でも、個人的には、ライヴができないこの期間にいっぱい曲作れるじゃん! この時間が明けたらフルアルバムを出そう、という気持ちでいて。ポジティブに変換できたんです」

原作漫画の世界観を元にosageの音楽として昇華している

■それは健全ですね。そんなosageのメジャーデビューシングル「マイダイアリー / 透明な夏」は両A面です。まず、「マイダイアリー」について聞かせてください。漫画『君を忘れる恋がしたい』とのコラボ曲で、スピード感を感じるナンバーです。

山口「原作コミックを読ませていただきましたし、作者の結木悠先生と対談をさせていただいて、書き下ろしました。『君を忘れる恋がしたい』は主人公の女の子、志乃ちゃんが中学生の時に音楽をやっている瀬名くんと両想いになりながら、瀬名くんが転校したことで離れる。そして、高校時代に空白が開いて大学の軽音楽サークルで偶然再会するという物語なんです。僕たちは軽音楽部出身ですし重ねられるところが結構あったんですね。だから、漫画のストーリーをなぞるだけでなく、僕なりの言葉を入れつつ。この歌詞は1番と2番で主人公が変わって、志乃ちゃんと瀬名くんそれぞれの視点になっているんです。2人が交換日記をしたらこうなるかな、と想い浮かべながら書きました。サウンド的にいいギターが鳴っていたり、小技のドラムクラップが入っていたり、原作漫画の世界観を元にosageの音楽として昇華しているので、そこも楽しんでもらえたら嬉しいです」
■本当にサウンド面も聴きどころたっぷりです。例えば、イントロ。曲頭の左右のチャンネルに振り分けたギターカッティングとドラムが曲のスピード感、勢いを絶対的に表現していますし。これを引き継ぐように入ってきたベースフレーズが高揚感を膨らまして、さらにスネアの連打にいくという。イントロだけでもバンドの魅力や、この曲で表現したい音が伝わってきました。

田中「曲全体は、一緒に編曲してくださったレフティ(宮田“レフティ”リョウ)さんが細かいところのアレンジを修正してくれたんですけど、イントロはほぼ、バンドで固めたそのままなんです。それもあって、特にメンバー成分が強めになっていますね」

山口「左右のチャンネルに振ったギターカッティングは初期から使ってきたアプローチですし。デビューの1作目ということもあって、そういうここまでやってきた表現は取り入れたい、という意識はありました」

金廣「このイントロのカッティングは僕も大好きで。曲中のギターアプローチと違うカッコ良さがあると思っています。ただ、難しい(苦笑)。7月のツアーファイナルで披露したんですけど、1発目のカッティングは緊張しました。これをミスると曲の勢いとかすべてが崩れるから」

ヒロ「ベースもイントロはカッコいいフレーズが形にできて気に入っています。あと、全体的に自分の好きな音を作れました。そこも注目してもらえたら嬉しいです」

osage - マイダイアリー [Music Video]

歌詞が乗って、ちゃんとしたタイトルを見て、夏の曲なんだ!って理解しました(笑)

■そして2曲目の「透明な夏」は、「マイダイアリー」と同じくスピーディな1曲で。こちらは、爽やかさと少しの切なさがありますね。

山口「osageチームで山中湖のスタジオに合宿に行って、そこでセッションしながら作った曲を元に、アレンジャーさんを迎えることなく、4人だけで詰めました。合宿ということで、結構開放的な気分でしたし、セッションで出たフレーズを意識して活かしているから、あの時の空気感がそのまま楽曲になっています」

ヒロ「この曲作りのセッションの時は、エモーショナルな生々しさみたいなもの、人間的な部分を表現したくて。暗過ぎず、明る過ぎないコード進行を意識しました」

金廣「歌詞を見てより好きになった大切にしたい曲です。ただ、合宿でケンタにタイトルを聞いた時、僕は聞き間違えたというか、“透明七つ”と誤解したんです。でも、歌詞が乗って、ちゃんとしたタイトルを見て、夏の曲なんだ!って理解しました(笑)」

ヒロ「いいな、そのエピソード(笑)」
■歌詞で描かれているのは、夏が巡ってきて、もう簡単に会えない人を思っている姿、と捉えていいですか?

山口「例えば、学生の時に初めてできた恋人と見た花火って、今はもう見れないですよね。そういった、過去の思い出は今ここにない感じを描きたくて。思い出が自分の中に残っているだけで幸せだし、このままでいいんです」

■今もう隣にいないけど、〈君が居てよかった〉と純粋に感じられる思い出。

山口「時間は巻き戻すことは叶わないですし。だからこそ美しいという面もありますよね」
■長い時間の中の刹那は〈花火〉の存在に重なります。インディーズ時代に発表された「青かった。」には〈線香花火〉というワードが使われていましたね。

山口「花火は季節のもので、夏が終わるとほとんどの場合、1年間見れない。だからその時々の輝きを感じるんです。ただ、花火を見終わった後の帰り道は、切ないけれど心が満たされている感じがして好きですよ」

自分たちで“捨て曲なし”と言ってるくらい思い入れのある楽曲ばかり

■切ないけれど心が満たされている感じは“透明な夏”の世界観そのものですね。さて、今後に目を向けると10月にワンマンツアーが始まります。

山口「楽曲の振り幅の広がりを含めて、ライヴトータルで形にしたいアイデアが湧いている状態なんです。それに、自分たちで“捨て曲なし”と言ってるくらい思い入れのある楽曲ばかりですから、どう時間内に収めようか、と考えているところですね。そして、これまで応援してくださった中には、osageの変わらない姿を期待してくれている方がいることもわかりますし、ただこれからどんどん変わっていく、進化していくことで見たことのない景色に一緒に行くことも僕たちのやりたいことであり、使命でもあると感じているから。ひとつの転換点のライヴになると思いますし、この時にしか観ることができないosageのステージ、曲目、演出を期待して足を運んでください」

ヒロ「osageの魅力に、音源の魅力とライヴの良さの違いがある、と我ながら思っているので。それを是非、会場で体感してもらいたいです」

田中「ウチのワンマンって曲をいっぱいやるんですけど、実際の時間より体感的に短い、ってよく言ってもらえるんですね。それってお客さんが没入してくれているから、と思っていて。いろんなタイプの楽曲がosageにあると自負していますし、ライヴの始まりから終わりまで楽しんでもらえると思っています。ワンマンライヴに行ったことがなくてどんな感じかわからないと躊躇している人がいたら、来たほうがいいですよ!(笑)  ぜひ、足を運んでください!」

金廣「メジャー一発目のツアーですし、掲げた『Brand New AGE 2024』のタイトル通り、osageの新時代を見せます。そのためにいろいろ考えていますので楽しみにしていてください」
Digital Single「マイダイアリー/透明な夏」

Digital Single「マイダイアリー/透明な夏」

2024.08.07 Release

01. マイダイアリー
02. 透明な夏
東名阪ワンマンツアー”Brand New AGE 2024”

10月19日(土) 愛知県・ell.SIZE 
10月20日(日) 大阪府・Music Club JANUS 
11月3日(日) 東京都・ shibuya WWW X
osage
おさげ。東京・下北沢にて結成。'17年より精力的な活動を開始。’18年10月にmurffin discsによるオーディション『murffin discs audition 2018』にてグランプリを受賞。’19年4月、『ニュートラル e.p』をリリース。’24年8月、両A面シングル「マイダイアリー/透明な夏」でメジャーデビュー。
公式サイト https://osage-official.com/
BACKSTAGE PASS 2024年10月号

BACKSTAGE PASS 2024年10月号

発売日:2024年8月27日(火)
価格:1,100円(税込)
表紙:ME:I
バックカバー:WATWING
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