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SPYAIR 『JUST LIKE THIS 2025』が9月27日・28日に開催! より特別で挑戦的な今公演の抱負と、テーマ曲「Bring the Beat Back」について、開催直前スペシャルインタビュー!

Interview

2025.09.25

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約15年前。デビューを目前に控えたSPYAIRはこれから歩み出すメジャーシーンでの夢のひとつに、“野外の大きな会場でのワンマンライヴ”を挙げた。インディーズ時代、地元名古屋の栄公演で路上ライヴを繰り返し、バンドを成長させてきた彼らにとって、野外ライヴは特別な意味があったのである。

その想いは2011年、日比谷野外大音楽堂での『Just Like This』という形で結実する。以後、バンドが歩みを進める中で活動の基軸に『JUST LIKE THIS』があった。YOSUKEが、FC限定以外のオープンなライヴで初めてSPYAIRのステージに立ったのもこの野外ライヴである。

そして2025年、バンドにとって記念すべき特別な年に、多くの“初”の挑戦を試みつつ『JUST LIKE THIS』が幕を開けようとしている。

この特別な時間に向けて書き下ろされたテーマ曲「Bring the Beat Back」のこと、さらに今年の『JUST LIKE THIS』について、じっくり聞いていく。
Text 大西智之

僕らが打ち鳴らせばそれがSPYAIRだし、それを今回の『JLT』で証明していく

■いよいよ2025年の『JUST LIKE THIS』(以後、『JLT』)が目前に近づいてきました。テーマ曲「Bring the Beat Back」が発表になり、例年通り会場限定でリリースされますね。この楽曲は、ライヴのテーマを決めてからそれに添って制作したのですか?

UZ「この数年の『JLT』は、例えば〝ロックスター〟とかのようなテーマを掲げているわけではなく、大きくロックバンドの野外ライヴがテーマなんです。だから今年の『JLT』でアガれる曲を!という想いから作りました。最近、ニルヴァーナをよく聴いていて。彼らは、リフひとつ独特の音使いをして、それが圧倒的にカッコいいと感じたんですよ。あの世界観を、さらにテンポを速めてブレイクビーツっぽくしたらどうなるだろうと思ったのが始まりです」
UZ

UZ

■確かに、最新曲「Chase the Shine」もアップテンポですが、さらに速くて。かつ、ダークさと、程よいヘヴィさを持った曲になりましたね。

UZ「俺が思うヘヴィロックのリフと違って、この曲はコード主体のリフなんですね。このコード使いで、90年代前半のオルタナティヴの感じ、いい意味で暗くてどんよりした世界観を表現したかったんですよ。結構、曲を作ってる時から楽しかったです」

KENTA「UZから曲のデモが届いて、純粋にカッコいいし、僕らが聴いてきたミクスチャーロックとかの空気も感じて。ライヴで否応なしにアガるだろうな、とまず感じました。ただ、この世界観でブレイクビーツが16分音符で鳴っているところで一緒に叩くこの感じの曲ってSPYAIRでやったことがないから、どういうふうになるんだろう?と思ったし、すぐにアプローチを考えましたよ」

YOSUKE「自分はあまり通ってこなかった感じの楽曲で、ニュアンスを掴むのに時間がかかりました。テンポが速くて、音もいっぱい重なっているし、メロディ、サビを含めどこで一番ピークをもっていったらいいんだろう?とか。でも、プリプロとかをしているうちに徐々に体に入ってきて。Aメロ、Bメロ、サビも今までのSPYAIRにない感じだし、スクリームもあるし。歌詞が英語と日本語が交ざっていて楽しくなっていきました」

MOMIKEN「自分は、THE MAD CAPSULE MARKETSのイメージがまず浮かびました」

UZ「確かに!」
■ブレイクビーツを含めたシーケンスというか、デジタルを飲み込んだミスクチャーロックの雰囲気がそうですよね。

MOMIKEN「THE MAD CAPSULE MARKETSを20歳くらいの時にフェスで初めて観て、このビートカッコよ過ぎる!ってめちゃくちゃアガったんです。“Bring the Beat Back”のデモはそれを思わせるビート感がいい、と思いました。自分らの世代にとっては懐かしさがあって、今の世代にとってはきっと新しさがあるだろうし、それでいてしっかりSPYAIRとして昇華して進化させているところが印象的でした」

■90年代前半のオルタナティヴとミクスチャーを昇華したアガる曲に乗った歌詞はメッセージが強いですね。

MOMIKEN「『JLT』のテーマ曲でなにを伝えようか、と考えた時に、数ヵ月前にこうしてインタビューした時のこと、この先バンドとしてどうなっていきたいかを話していて、新ヴォーカルの〝新〟をとりたいです、とメンバーが言ってたのを思い出して。変わったこの4人が今のSPYAIRです、ではなく、もっと原点に戻って考え直そうよ、って言いたかったんですね。だから、“Bring the Beat Back”をテーマに書いたんです」
MOMIKEN

MOMIKEN

■つまり、ビート、音楽を取り戻す、と。

MOMIKEN「SPYAIRのコアは音楽だよねって。僕らが打ち鳴らせばそれがSPYAIRだし、それを今回の『JLT』で証明していくって想いを書きました」

■その気持ちを〈型にハマる なんて気はない〉〈過去に生きる なんて気はない〉といった反骨心のある言葉で表現されていますね。

MOMIKEN「今鳴らしているこの音楽がSPYAIRだから、型とかイメージ、過去とかは関係ないっていうことなんです。強い言葉がサウンド感に合うなと思って書いたところもあります」

■また最後の1行がいいですよね。それまでのサビラストのフレーズが〈Bring the Beat Back〉だったのに対して、〈Let the beat attack〉、このビートに任せて攻撃すると、韻を踏みながらより言葉が強まっている。

MOMIKEN「そうなんですよ(笑)」
■さらに〈その腕を Raise up いま〉という言葉や、ラジオ的な音色で始まるイントロの途中で一瞬、リズムがクイーンの「We Will Rock You」的なオーディエンスを巻き込むであろうフレーズに展開したりするサウンドからライヴの景色が見えそうです。

MOMIKEN「歌詞で、ライヴの風景を描くことは最初から頭に置いていました」

UZ「MOMIKENがTHE MAD CAPSULE MARKETSを挙げたように、アレンジを煮詰めている時、一緒にアレンジをしてくれたtasukuさんとの間で、デジタルロックという言葉は飛び交っていたんです。イントロに関してはそれを強調するためにやってくださいました。『JLT』はあくまで自分たちのものだし、テーマ曲は好きなように作れるから、曲全体に遊びの要素を入れたかったし、それができました」
■純粋な楽しみで作曲、アレンジしてもいい音楽と感じるものを生むのは、センスのよさからなんでしょうね。演奏もヴォーカルも聴いていて自然とアガりますし。

UZ「ギターもフィルターをかけたり、遊んでますね(笑)」

KENTA「ドラムは表拍をどれだけ強調するかが勝負だと感じたんですね。16分音符、8分音符、4分音符で押し切って裏拍は叩かない。それをどれだけカッコよくやるかがポイントだなって。でも、このテンポ感で表拍を強調して叩くことを僕はあまりやってこなかったし。それがうまい人として思い浮かべたのが、MOTOKATSU MIYAGAMIさんと金子ノブアキさんだったんです。そこで、立ち返って、THE MAD CAPSULE MARKETSとRIZEの曲をドラムに焦点を絞って繰り返し聴いたりして、感覚を体に入れてからレコーディングしました」

MOMIKEN「ベースはループが多い中で、ドラムと共にフィーチャーされるところの音色にこだわっています。レコーディングであれだけバキバキに歪んだ音を作ろうとすると、フレットを押さえる指を少し動かしただけで、シャワシャワシャワーってノイズが鳴るんですよ。これどうやって弾くの?ってなりました(笑)」
YOSUKE

YOSUKE

■1番と2番の間をギターソロで組み立てて、ラストサビ前の間奏はリズム主体でやるという展開が飛び出します。

UZ「珍しい曲構成ですよね。ラストサビ前をどうするか考えていて、Dメロを作って歌うのもしっくりこないし、ドラムとベースでからんでもらいましょう、って投げました(笑)」

MOMIKEN「その意図がレコーディング直前まで僕に伝わってなくて(笑)」

UZ「俺のデモではこの間奏って作り込んでなかったしね(笑)」

MOMIKEN「デモがカッコいいし、そのままいくという意識で刷り込まれてた」

KENTA「だからだ! ドラムとベースで間奏をやると僕は聞いていたから、ベースソロが乗るというつもりでいて。ドラムを録り終わってMOMIKENを見たらなんかフワフワしているから、ん?ってなった(笑)」

MOMIKEN「結果、ソロっぽいフレーズも試したんですよ。でも、これはこのままがいいね、ってことになりました」

UZ「しかも、この間奏って異様に長いから。なかなかないし、新鮮だよね! で、間奏をリズム隊に譲ったから、1番と2番の間ではギターソロを入れています(笑)」

YOSUKE「ヴォーカルレコーディングは楽器隊とシーケンスのサウンド全体がパキパキしているし、スピーディなテンポ感もあってノって歌えました。曲はダークなんですけど、そのダークさに救われた人が、この音楽という戦える唯一の武器をようやく手にした!みたいな感じの雰囲気を歌っている中で感じて。実はレコーディングの時、肋を痛めていたんですけど、ヴォーカルブースの中にいる間だけ痛みを忘れてたくらいでした」
■ラストの〈Let the beat attack〉がヴォーカルのみになるこの表現と、間奏中に入る〈(Bring the Beat Back)〉のシャウトに惹かれましたよ。

KENTA「そのラストの歌をね……(笑)」

MOMIKEN「YOSUKEが抗ってた!」

YOSUKE「最後の〈Let the beat attack〉の1行の歌は、エフェクトとかすべて外した素の音なので、裸にされた気持ちがして(苦笑)」

KENTA「音楽という武器を手にしたのに(笑)」

YOSUKE「手にしているんですけどね(笑)。一応エフェクトをかけた歌も試したんですけど、僕以外の全員、素の声でという意見でこれが採用になりました。間奏でのシャウトに関しては、最近、リンキン・パークのエミリー・アームストロングが好きで。おそらく彼女もチェスター・ベニントン(リンキン・パークの前ヴォーカリスト。2017年に他界)っぽいところがあったりして、リンキン・パークの色を大切にしつつ、一方で彼女にしか出せない、命を削っているようなシャウトを聴かせますよね。それが心に刺さって。自分もああいう表現をしたい!と思い、この間奏のシャウトに一番時間をかけたくらい録って。満足いくテイクを自分で選んでいます」
KENTA

KENTA

■聴きどころになっていますよね。このテーマ曲のもと、行なわれる今年の『JLT』についてお聞かせください。

KENTA「今年は初の『JLT』2日間の開催なので、1日ずつテーマを変えてやるという初めての挑戦をします」

UZ「バンド結成20周年、デビュー15周年、『JLT』を本格的にスタートしてから10年というアニバーサリーなんですよね。過去の『JLT』をモチーフにこれまでのテーマ曲を軸に組んだ1日目と、アニメ作品に書き下ろしてきた曲を中心に組んだ2日目と内容を変えてやろうと思っています」

■山梨県・河口湖ステラシアターでの『JLT』、SPYAIR自身初の場所ですよね。

MOMIKEN「もうなくなってしまったんですが、以前近くに合宿できるスタジオがあって。そこでレコーディングしていた時に、この会場を横目に行ってたんです。で、通り過ぎながら雰囲気がいいな、と思っていたんですよ。その場所を今回、スタッフさんから候補に挙げてもらって。やってみたいと思ったんです」

UZ「あと、前日にリハして富士山に泊まって、みんなでご飯を食う、みたいな『JLT』のルーティンがあるんですよ。それをしないと俺らの年に1回のお祭りがさらっとし過ぎている気がしたんです」

KENTA「遠出してその会場でライヴし、飯を食って、疲れた体にムチ打って帰ってくるという。手間はかかるけれど特別な感じがあって、あの時間は大切なんですよね」
■観る側も、『JLT』のために遠くまでいく特別感ってありますよ。

YOSUKE「まず、今年もやれそうでよかったです。2015年から7回やってきた富士急ハイランド・コニファーフォレストを求めている方もいらっしゃると思うんですけどSPYAIRは自分たちのペースで進んでいく。『JLT』を途切れさせないのもひとつ大切なことですから。それに、今回の河口湖ステラシアターも空気が素敵な場所だと思いますし、こういうところで音を鳴らせるのって特別な機会で。しっかりと味わって、打ち上げして、ひとイベントやった達成感を最終的に得られるようにしたいです」
KENTA
『JUST LIKE THIS 2025』
日時:2025 年9 月27 日( 土)
2025 年9 月28 日( 日)
開場16:00 /開演17:00 (19:30 終演予定)
会場:山梨県・河口湖ステラシアター
料金:指定席9,000 円(税込)※3 歳以上チケット必要
お問い合わせ: DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/
特設サイト: https://www.spyair.net/justlikethis2025/
『JUST LIKE THIS 2025』テーマソング「Bring the Beat Back」           

『JUST LIKE THIS 2025』テーマソング「Bring the Beat Back」           

2025.09.27-28 Release

9月27日(土)・28日(日)山梨県・河口湖ステラシアターにて開催の単独野外ライヴ『JUST LIKE THIS 2025』のために書き下ろされたテーマソング「Bring the Beat Back」を会場限定スペシャルアイテムとしてCD リリース
KENTA
スパイエアー。YOSUKE(Vo.)、UZ(G.&Prog.)、MOMIKEN(B.)、KENTA(Dr.)から成る4人組ロックバンド。2005年にリジナルメンバーで結成、2010年メジャーデビュー。2023年4月新ヴォーカルにYOSUKE が加入し現体制となる。2024年2月リリースの『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』の主題歌「オレンジ」は、ストリーミング累計1億回再生を突破した。2025年6月にアジアツアー『SPYAIR ASIA TOUR 2025 - BUDDY -』を台北とソウルで開催。9月27日(土)・28日(日)に山梨県・河口湖ステラシアターにて単独野外ライヴ『JUST LIKE THIS 2025』を開催する。

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