GENICの4枚目のオリジナルアルバム『if』が2月5日にリリースされた。収録される14曲すべての作詞をメンバーが手掛けた今作。GENICの音楽と共に“if=もしも”の世界を一緒に楽しもう! そんなGENICからの愛とワクワクが詰まった1枚について聞きました。また、ここでは撮り下ろし写真のアザーカットも公開!
Text 斉藤碧
Photo 大川晋児(Sirius)
Hair&Make-up 細江祥莉、佐々木麻里子、茂木梨沙
Styling 後藤泰治
それが僕らが考える『if』の世界観だし、新たな表現が開拓できた
■4thアルバム『if』の制作はいつ頃からスタートしたんですか?
西澤呈(にしざわじょう)「テーマの“if”はかなり早い段階で決まってて、昨年春に『N_G』ツアーの打ち上げをやった時に生まれましたね」
増子敦貴(ましこあつき)「これまでにリリースしたアルバムタイトルが、GENICの頭文字をとって『GENEX』『Ever Yours』『N_G』と続いていたので、次は”I”のつくタイトルにしたいねって」
西澤「それで“IDがいいんじゃない?”とか、いくつかアイデアを出して。最終的に“もしもこんなGENICがいたら”というテーマにしたら、もっといろいろなGENICをお見せできるんじゃないか?ということで、『if』をタイトルにしました」
金谷鞠杏(かねやまりあ)「そこから曲を選び始めて…… 今回も150曲くらい聴いたよね?」
西本茉生(にしもとまいき)「でも僕らに届く前に、何千というデモをスタッフさんが聴いてくれてますから。その時点で選び抜かれた150曲ですし、どの曲も素晴らしいという大前提がありながら、このアルバムに合う曲はどれだろう?って悩みながら聴いていたので、本当に厳選された楽曲が揃っています」
小池竜暉(こいけりゅうき)「その中でリード曲になったのが、僕とあっちゃん(敦貴)と優良梨で作詞した“FUN! FUN! FUN!”。アルバムのテーマを象徴するようなポップなダンスチューンですね」
■『if』の楽曲のほとんどは昨年開催したツアーで披露されたそうですね。
雨宮翔(あめみやかける)「通常のツアーはアルバムをリリースした後に開催するので、どの曲をやるか事前に想像がつくと思うんですけど、今回はリリースが後なので、それこそホールツアーの前半は“もしも披露された曲を知らなかったら”っていうライヴでしたね。特に初日はすべてが初めてだったので、GENICを始めて3年、今まで感じたことないレベルで緊張しました(笑)。でも、それが僕らが考える『if』の世界観だし、ライヴに来てくれた方からも“新鮮で楽しかった”っていう声が届いていて。GENICだからこそできる新たな表現が開拓できたなと思っています」
金谷「ツアーを通してライヴアンセムに育った“We are”もそうだし、“FUN! FUN! FUN!”もそうなんですが、今回はリリースより先にツアーが決まっていたこともあって、お客さんを巻き込めるように、声出し楽曲を多めに入れたんです。だから、ツアー前半はとりあえず観て楽しむっていう方が多かったんですけど、“FUN! FUN! FUN!”を初披露した公演からは、徐々に歌や振付を覚えてきてくれるようになって。サビを一緒に歌ってくれる方もたくさんいましたし、その姿から、ファンの方が“GENICについていきたい。一緒にライヴを作りたい”と思ってくれていることが伝わってきて嬉しかったです」
■アルバムでなんといっても気になるのがユニット曲。『N_G』収録の「きみといた」(宇井優良梨セルフプロデュース曲)では、優良梨さんと茉生さんがMVで惹かれ合う役を演じていましたが、その反響を受けてのユニット曲制作だったりしますか?
宇井優良梨(ういゆらり)「(西本を見て)どうだったっけ?」
西本「前回、メンバー各々のセルフプロデュース曲をやった流れで、どこからともなく“今回はユニット曲をやったらどうかな?”って話が現われて(笑)。それだったら“きみといた”のアンサーソングを僕と優良梨で作ったら面白いかも!と、“あいたくて”を制作することになりました」
小池「……って言ってますけど、“きみといた”のMVを撮ってた時から“次はアンサーソングを作りたいな”って言ってましたよ、彼」
西本「“きみといた”のMVは歌詞に沿った映像を撮ったので、台詞が一切なくて。僕が演じている男の子が、優良梨が演じている女の子を泣かしている様子を見た方々から、“お前、なんであんなに可愛い子を泣かしてるんだよ!”ってお叱りを受けたんですよ」
■私も『N_G』の取材で言いました(笑)。
一同「あはははは!」
西本「本当はそうじゃないんだよ! 仕方がなかったんだよ!っていうことを伝えたくて。“きみといた”のアンサーソングとして制作していただいたトラックに合わせて、2人で話し合いながら作詞していきました」
宇井「今回の作詞では、情景をわかりやすく書きたいなって思ってました。一度それぞれの歌割に合わせて各自が歌詞を書いて、後で2つを合わせたんですけど、2人の歌詞を繋いでみた時に、“この子だったらもっとこういう言い方をすると思う”とか新たに見えてきたものがあって。そういった細かい言い回しにこだわって仕上げました」
■優良梨さんは「きみといた」を作詞する際、キャラクター設定をしっかり決めた上で書いたそうですが、今回もそれを引き継いで?
宇井「はい。あの時から少し時間が経っているんですが、軸となる性格は変わらず。少し大人になった2人を描けたらいいなと思っていました。“きみといた”が私が歌う〈私は誰より幸せでした〉で終わり、“あいたくて”が茉生くんの〈あなたは今 幸せですか?〉で始まるのも、時間の経過が見えるポイントです」
■ちなみに、『N_G』の取材時に呈さんは、「きみといた」のMVに、カフェ店員役の優良梨さんの代わりに白タンクトップ店員として出演したかったと、「僕といて」というアンサーソングを作ると話していましたが……。
西澤「2人が歌う素晴らしいアンサーソングを聴いて、もうあんなふざけたことは言わないと誓いました(笑)。でも“あいたくて”を聴いた時に、純粋に俺もこの曲歌いたいなって思ったので……(メンバーをチラチラ見ながら)僕と一緒に歌ってくれる人いないかな?って思ってますね(笑)」
■続いて、敦貴さんと竜暉さんのユニット曲「キスメットフレンズ」。
増子「2人で歌うことが決まってすぐに“明るめの親友ソング”っていうテーマが見えて。そこから別々に作詞していきました。この時期は僕が舞台の仕事でロンドンにいて時差があったので、リモートで打ち合わせをするのも大変だったんですが、時差を越えた友情ソングができたんじゃないかと思います」
■そもそも、なぜこの2人で作ることに?
増子「(とぼけた表情で)じゃんけんだっけ?」
西澤「いやいや(笑)。『if』を作ることになった瞬間から運命的に決まってました!」
小池「そういうと冗談に聞こえますけど、結構本当で。僕らはGENICになる前から付き合いがあるので、必然的にこうなりました」
増子「歌詞も、出会った頃のこととか、そんな僕らが今同じグループで活動していることとか、一緒に歩んできた人生を描いていて。1番を竜暉目線、2番を僕目線で書くことで、“お互い価値観は違うけど、違うからこそリスペクトし合えていい友達だよね”みたいな内容になっています」
小池「僕はGENICだけでなく、他のアーティストの方にも楽曲提供をさせてもらっているんですが、友達を題材にして歌詞を書いた経験があまりなかったので、それをあっちゃんと一緒に作って歌えたことが嬉しかったです。この曲を作ってから、前よりも2人で会う機会が増えたよね?」
増子「そうだね。ツアーのリハ期間も、ユニット曲の反省会をするためにカフェに行ったり、夜2人だけで食事に行ったり……」
西本「食事メインじゃない?」
宇井「ちゃんと反省してる?」
増子「してるよ!(笑) もともと仲は良かったけど、曲作りやライヴを通して絆が深まりました」
■鞠杏さん、ライヴで「キスメットフレンズ」のパフォーマンスを観た印象は?
金谷「リハの時は自分のことでいっぱいいっぱいだったんですけど、ライヴ中に舞台袖で観ていた時は、可愛い曲だなって思いました。母性本能をくすぐられるというか。“頑張れ~!”って応援したくなる感じで、運動会を観にきた親の気分を味わいました(笑)。ライヴではアドリブを結構入れていたので、それもライヴならではの見どころですし、2人の普段の空気感がそのまま楽曲に出ているのが、“キスメットフレンズ”の魅力ですね」
■呈さん、翔さん、鞠杏さんによる「Aller loin」は、激しいダンスと歌声、ラップで煽る姿が浮かびます。
雨宮「この曲はトラックを選んだ後、先にスタッフさんに歌割りを決めてもらって、自分が歌うパートに合わせて各自が書きたいことを書いていったんです。特にテーマを決めることもなく。だから、いい意味でバラバラな個性が出ているなと思います」
金谷「“Aller loin”がオペラの『カルメン』をサンプリングした曲なので、『カルメン』はどういうストーリーの曲なんだろう?っていうところから考え始めて、女性側の強い気持ちを書いたんですけど。2人は私とは違うニュアンスで歌詞を書いていたので、個人的にはイチから書き直す必要があるかもと思ったんです。でも、呈くんが“まずは各々が書きたいことを書ききって、後で擦り合わせればいいんじゃない?”と言ってくれて。2人が私の歌詞に少し寄せて修正してくれたことで、最終的に今の形になりました」
雨宮「僕、この歌詞を書いていた時、舞台稽古の真っ最中だったんですよね」
■初主演・初舞台のミュージカル『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』ですね。
雨宮「その現場で、GENICでは感じたことのない気持ちが芽生えたんです。“やってやるぜ!”みたいな気持ちが。まぁ正直、あの時はガムシャラで、どんなことを考えていたかあまり覚えてないんですけど……」
小池「覚えてないんかい」
雨宮「あははは。でもだからこそ、内に眠る獣のような本能を呼び覚ませた気がしていて。普段の僕からは出てこない強い言葉が並んでいます。あと、最終的にはカットしたんですけど、3人の頭文字を入れたワードを入れたいなと勝手に思っていましたね。呈(J)は“JOKER”、鞠杏(M)は“MONSTER”、翔(K)は……」
宇井「(〈QUEEN&KING〉という歌詞を見て)“KING”じゃない?」
雨宮「そう、“KING”!」
西本「自分だけめっちゃカッコいいじゃん」
雨宮「ここは鞠杏のラップパートだから、僕が作詞したわけじゃないんですけど。初主演で初舞台に臨んだことで、GENICの名前を背負って自分1人で戦わないといけない状況にあったので、闘争心とか、新たな世界で手にした自信が歌詞に出たんじゃないかと思います」
続きはBACKSTAGE PASS 2025年3月号でお楽しみください!!
Live DVD & Blu-ray
GENIC LIVE TOUR 2024 -if-
2025.06.25 Release
初回生産限定盤 BD ¥8,580
通常盤 2DVD ¥6,930
通常盤 BD ¥6,930
https://avex.jp/genic/livetour2024if/
『GENIC 5th Anniversary Live at 日本武道館』
2025年11月5日(水)開場17:30/開演18:30
東京・日本武道館
https://avex.jp/genic/live/tour.php?id=1002681
GENIC
ジェニック。a-genic PROJECTから選ばれた、男女7人組ダンス&ヴォーカルグループ。’19年夏、期間限定ユニットとしての活動を経て、新グループとして誕生。’20年5月、1stアルバム『GENEX』でメジャーデビュー。’24年3月、3rdアルバム『N_G』を発表した。’25年11月5日、初の日本武道館公演『GENIC 5th Anniversary Live at 日本武道館』を開催予定。
公式サイト
https://avex.jp/genic/
初回生産限定盤A CD+BD ¥4,730
初回生産限定盤B CD+BD ¥4,730
通常盤 CD ¥3,300
01. 4th Overture
02. FUN! FUN! FUN!
03. LifE!!
04. IT’S SHOWTIME
05. Maison Genic
06. アンストッパブル
07. Sorry not sorry
08. Aller loin(KAKERU×MARIA×JOE)
09. キスメットフレンズ(ATSUKI×RYUKI)
10. あいたくて(MAIKI×YURARI)
11. We are
12. Go on
13. STEP BY STEP!!
14. PARADE!!
https://genic.lnk.to/N_G_CD