自身二度目となる単独ツアー『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2024-2025 “LIaL PARTY”』のファイナル公演が、2025年1月30日(木)に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催された。
デビュー2周年を目前に控えた彼らの“LIaL(リアル)”を届けるツアーのラスト。客席はライヴが始まる前から熱気に包まれ、会場に流れるLIL LEAGUEの楽曲に合わせて白いフラッグがはためく。
開演時間ぴったりに会場が暗転。ステージに張られた白いスクリーンにはアメリカの路地裏のような景色が流れ、軽快な音楽とともにメンバーの写真が順番に映し出されていく。期待を高めるVTRがオープニングを飾った後、唸り声のようなサウンドとともにスポットライトを浴びて現われたのは、白い衣装に身を包んだ6人。割れんばかりの歓声が彼らを迎え入れる。
一発目に持ってきたのは、最新シングル「刺激最優先」。〈ここはカオスなエリア 最高しかないね〉〈ジタバタすんじゃねえ いっそ楽しんじゃおうぜ〉という歌詞を体現するように、しょっぱなからフルスロットルでパフォーマンスを披露すると、さらなる歓声が響きわたる。そのままの勢いで百田隼麻が「ブチ上がる準備できてますかー!」とファンを煽り、「Youth Spark」に突入。ファンキーなサウンドに乗せて挑発的なヴォーカルとダンスを届け、岩城星那が「今日が“LIaL PARTY”最後! ファイナルにふさわしいライブだと、あなたが証明してください!」とさらに会場を盛り上げる。6人は一瞬にして、この場を“PARTY”へと変えてみせた。
山田晃大の「今日は僕達と皆さんで最高の“PARTY”にしていきましょう」の一言から、流れるように6人6様のリリックを紡いでいく「48 BARS RELAY」を響かせる。ファンも各メンバーのパートで「晃大!」「真虎!」「隼麻!」「碧空!」「竜大!」「星那!」と応戦し、互いに魂の叫びを引き出し合い、3曲目にして会場は熱狂の渦に。そこからラフなテイストのデビュー曲「Hunter」に繋がり、ハッピーな空間へと変化していく。それまではインパクトのある楽曲に合わせて鋭い表情を浮かべていた6人も、ここぞとばかりに大きく口角を上げる。
岡尾真虎が「僕達がこれまで経験してきたすべてを皆さんにお見せします! 皆さんもその目で見たものを信じて、今日を楽しんでください!」と客席に投げかけ、届けるのはLIL LEAGUEの楽曲のなかでも特にシリアスなナンバー「Beat Loud」。中盤でサウンドが止まり、難波碧空が儚くも色気の漂うラップをアカペラで披露すると、悲鳴にも近い歓声が響く。彼らの代表曲「Lollipop」も惜しみなくライヴ序盤で繰り出し、開幕からここまで止まることなくファンの心を揺さぶっていった。
ここで初めてのMC。碧空が「僕らがこのツアーを通して伝えたい想いが、“LIaL”にすべて詰め込まれています。“PARTY”なので、皆さんと1つになってファイナル締め括れたらと思います」と、ツアータイトルに込めた意味を伝える。その言葉を受けて、晃大が「皆さんが普段抱えている夢や目標に向けて、背中を押せるような曲を持ってきました。僕達もオーディションの時に“5年後にドームツアーする”って、バカげた夢だと言われてもおかしくないけど、この6人だから、LIL Friendsがいるから叶えられるという想いを持ってお届けします」と告げ、披露したのは「HEAVY GAMER」。解放的な楽曲と夢を追う歌詞が会場を包み、一気に視界が開けていくような光を感じさせる。
ステージに張られたスクリーンにぽつぽつと言葉が浮かび上がり、中村竜大のナレーションに合わせて最後に残ったのは「出会い」と「別れ」。「僕が頑張れる理由はただ1つだけ…あなたがいるから」という言葉とともにステージには星空が浮かび上がり、そのなかにぼんやりと浮かび上がる6人が届けるのはやさしいバラード「15分」。熱情を秘めた歌声が柔らかく音楽を紡ぎ、自然に「YADA」へと繋がっていく。
ピアノの音色が流れるなか、竜大が「出会いと別れを繰り返す人生。そのなかで“失って初めて大切なものに気付く”という言葉がありますが、皆さんがそんな気持ちに出会ってしまう前に、かけがえのない存在に気付いてほしい」と楽曲に込めた想いを語り、星那と「1番星」を歌い上げる。儚いソロから始まり、楽曲が進むにつれて2人のハーモニーが重なりドラマチックに展開していく様子に、客席も息をのむ。
しんと静まり返った会場。明かりが落とされたステージに真虎の姿が浮かび、〈過ごした日々 忘れないぜ一生〉というフレーズから始まるラップをアカペラで披露。決意表明とも言える言葉達を感情をむき出しにして響かせ、会場の熱気を再び上昇させていく。ボルテージがマックスになったところで「Are you ready? Let’s go!」と繰り出したのは「GATEWAY」。赤いジャケットで揃えた5人もステージに登場し、ファンキーなナンバーで場をかき回していく。6人それぞれが満足げな表情を浮かべ、アイコンタクトを取ったり肩を組んだりする姿から“楽しい”という感情が伝染し、隼麻の「行くぞ東京ー!」の絶叫にファンが歓声で応える。会場一体となって声を上げる「飛龍-FeiLong-」では間奏のダンスでさらにファンを沸かせ、攻撃的なダンスチューン「Monster」では野性味溢れるヴォーカルとパフォーマンスを見せつけ、ゾクッとするほどの迫力を感じさせた。
「東京の皆さん、最高でーす!」と真虎が始めたMCでは、続いて披露する「HYPE UP」の掛け声をレクチャー。晃大、真虎のヴォーカルに合わせてメンバーがお手本を見せるはずが、その時点でファンの掛け声は完璧で、メンバーも「できてるやん」と感心。「1階から3階まで声出す準備できてますかー?」と声を掛け、楽曲がスタート。ドラムのビートが心地良く、客席も自然と楽曲に合わせて身を揺らす。
勢いに乗り楽曲のスピードが上がり、掛け声のテンポも上がっていくなか、真虎が「ちょっと音速い」と制止。晃大が「音速くなるって、星那くんどういうこと?」と星那に振ると、「こういうこと」と「ビビデバビデブー」が響き始める。サウンドに合わせて、ハンズアップやクラップをレクチャー。すぐに順応する客席にメンバーも嬉しそうな表情を浮かべ、疾走感溢れるパフォーマンスで応える。中盤には「ビビデバビデブーチャレンジ」と題し、音楽に合わせてメンバーが放つ言葉をファンが真似するゲームで楽しむ。隼麻が繰り出した高度なフレーズもしっかりと真似してみせるファンに対して、隼麻も「120点!」と大興奮。
碧空の「皆さんともっともっと楽しんでいきたいと思います。僕達に付いてきてください」の一言をきっかけに、アッパーチューンメドレーに入っていく。キャッチーな「タングステン」でメンバーもファンも全員で手を振って楽しみ、「アイドンケア」では楽曲に合わせて手を振り上げて会場を揺らす。メドレーのラスト「Coloring Book」では、一緒にクラップ。2番のサビはファンと大合唱。歌詞のなかで描かれているように、会場がカラフルに彩られていくようだ。
本編最後を飾ったのは、6人の覚悟を描いた「Higher」。白いフラッグがはためく客席の光景を目に焼き付けるように前を見据え、楽曲を大切に届けるLIL LEAGUE。その姿を見届けるLIL Friends。互いの想いが歌声になって重なり合う。
本編終了後、会場には「アンコール」と「LIL LEAGUE」、2つの掛け声が響き、鳴りやまない。掛け声に応えるように出てきたのは、アニメ『ぼのぼの』のぼのぼのとアライグマくん。「今日はLIL LEAGUEのライヴがあるんだよね。いつ始まるの?」ととぼけるぼのぼのと、「もう終わっちまったぞ。でも、LIL LEAGUEにまた会いたい気持ちもわからなくもない」とつっこむアライグマくんの掛け合いにほっこりしていると、ステージ上に6人とスペシャルゲストのぼのぼのが現われ、「かわいい!」と歓声が上がる。
アンコール1曲目は、リラックスした雰囲気の「The Walk」。ぼのぼのの頭をなでたり、肩を組んだりと、7人 の絡みが微笑ましく、会場からも笑い声や歓声が上がる。曲が終わると、隼麻がぼのぼのの手を引いてステージ袖へとエスコート。その姿もかわいらしかった。
アンコールMCは、ここまでとは打って変わってラフな楽屋ノリのトークを繰り広げる。まず星那が「静岡公演で“アンコールの時に「アンコール」か「LIL LEAGUE」で競ってください”って言ったんです」と、アンコール前の掛け声が2つに分かれていた理由を説明。メンバーが「新しいコールが生まれてたよね」「最後まで決まんなかったけど」「裏で聞いてて爆笑したもん」と楽しんだことを打ち明けるも、星那は「今後アンコールができるタイミングの時には1つになって、皆さん仲良くね(笑)」と前言撤回。
アーティストブックや新グッズの紹介をしているなか、星那が「いつもだったらここはふざけ倒してるんですけど、DVD収録だから(メンバーが)緊張してる」とぶっちゃけ。「前回のツアーは収録日に全員が噛んだ」という思い出話に発展したところから、星那が「前回の収録もここ(LINE CUBE SHIBUYA)で、あの時の記憶がよみがえってどうにかMC噛まないようにと考えてたんですけど、真虎くんが“HYPE UP”前にちょっと……」とさらにぶっちゃけ。暴露された真虎は「いじっていいけど、マジで悔しいの! 噛まんように練習してたのに、噛んでもうた」と、感情を露わにして笑いを誘う。
盛り上がってきたところで、星那が「ここのMC、(進行役は)あなたですからね」と、ほぼしゃべっていなかった竜大にパス。晃大からも「わかりやすく口数少ないよ」と言われた竜大は、「東京になるとガッチンガッチン」と緊張していることを告白。いざMCを回そうとすると、「今日は(会場に)いっぱいいらっしゃいますじゃないですか」と独特な言い回しをしてしまい、「日本語、どこに置いてきたんだろう?」と呟いた瞬間、晃大から「間違いなく会場には持ってきてないよね」と鋭いツッコミが入り、会場が爆笑に包まれた。
「いろんな方に支えられて完成したこのツアーが気付けばファイナルで、皆さんに囲んでいただけて、本当にありがたく思うんです。嬉しいですね」と、竜大が最後のMCらしい流れに持っていったかと思いきや、次の展開に困って「……どうしよう」と呟くと、メンバーも思わず「MCにおいて“どうしよう”って(笑)」と総ツッコミ。すかさず星那が「楽曲にお力添えしてくださった方々もたくさん来てくださって、この環境がありがたいと思っています」とフォローする場面も。
笑いに包まれたMCから気を取り直して、竜大が「皆さんの声をまだまだ轟かせていけたらと思います」と、次の曲へと誘う。「次は僕達の始まりの楽曲でもある、あの楽曲を持ってきました。皆さんも歌詞を知ってると思いますし、“一言一句”間違えずに歌えると思います」と最後にひと笑いかましたところで、「Rollah Coaster」を披露し、大サビではファンと一緒に合唱。この日一番の歌声が響く。「結成当初、オーディション当時から歌い続けきた楽曲なんですけど、今みんなが歌ってくれてるのが愛されてる証拠だと思います。どんなステージでも、どれだけ月日を重ねても、皆さんと一緒に歌い続けていきます」と語るメンバーの顔に穏やかな笑顔が浮かぶ。
「しんみりして終わるのはLIL LEAGUEらしくありません。まだ回せてないものありますよね?」と、ツアーラストに披露したのはタオル曲としておなじみの「Okay」。「Are you ready?」「OK!」のコール&レスポンスを合図に、最後の曲が始まる。会場の端から端までパワーを届けるように6人がステージ中を走り回り、最後にして最高の瞬間をつくり上げていった。碧空が「皆さんも日頃イヤなことたくさんあると思いますけど、僕らがすべてそれを背負ってラストこの楽曲に詰め込んでいます。最後、全員で1つになる元気ありますかー?」と煽ると、LIL Friendsも最大ボリュームの歓声で応えた。1年半ぶりのツアー、最後に会場を埋め尽くしたキラキラの笑顔が成功の証明だろう。
『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2024-2025 “LIaL PARTY”』2025.01.30 東京LINE CUBE SHIBUYA
[SET LIST]
01. 刺激最優先
02. Youth Spark
03. 48 BARS RELAY
04. Hunter
05. Beat Loud
06. Lollipop
07. HEAVY GAMER
08. 15分
09. YADA
10. 1番星
11. GATEWAY
12. 飛龍-FeiLong-
13. Monster
14. HYPE UP
15. ビビデバビデブー
16. タングステン
17. アイドンケア
18. Coloring Book
19. Higher
〈ENCORE〉
20. The Walk
21. Rollah Coaster
22. Okay
LIL LEAGUE
リルリーグ。オーディション『iCON Z』でグランプリを獲得した6名からなるダンス&ヴォーカルグループ。’23年1月、シングル「Hunter」でメジャーデビュー。’24年2月、1stアルバム『TRICKSTER』を発表。’25年1月、最新シングル「刺激最優先」をリリースした。
公式サイト
https://lilleague.jp/
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01. 刺激最優先
02. ビビデバビデブー
03. Homeboys
04. 1番星
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